マルチコアCPU上でのソフトウエアのライセンス

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 最近ではCPU一つでの高速化に限界が見えてきたためか、マルチコアにしてトータルで演算能力を高めようとする動きがINTEL、AMD双方で活発になってきています。

 以前はORACLEなどのソフトウエアベンダーが発売するソフトのライセンスはマルチコアであればそのコアの数だけライセンスが必要だというライセンス体系をとっていました。しかし、CPUが2つになったからといって、必ずしも2倍のCPU能力が発揮できるわけではありません。どこかにネックが出て、頭打ちになってしまい、コアの数が増えれば増えるほどその傾向は顕著になります。

 CPUの能力がコアの数に比例してアップしていれば、ソフトウエアライセンスの仕組みにも何とか納得できるのですが、実際はそれだけの能力になっていないので、ソフトウエアベンダーにライセンス料を払いすぎている感が今まではぬぐえませんでした。

 また、もしもINTELやAMDが1つのコアの能力を上げる方向の努力を続けてくれていれば、ソフトウエアライセンス料は上がらなかったということにもなりますので、やはりソフトウエアのライセンスについては釈然としないところがあることは事実です。

 そんなとき、オラクルやBEAからマルチコアの場合のライセンスに関する変更のアナウンスがありました。BEAは3基以上のコアを持つプロセッサが稼動するシステムについては25%の割増料金を適用するということです、。つまりデュアルチップまでであれば割増料金は必要なくなることになります。

 また、ORACLEについても7月にマルチコアプロセッサへのライセンス体系を変更して、マルチコアプロセッサ上の各コアをチップ1個の3/4に相当するとしています。つまり、そのままコア数分のライセンスが必要な場合と比べると、ライセンス料が3/4になるということになります。

 IBMについては他社に先んじて4月にライセンス体系を変更して、INTELやAMDのx86プロセッサのデュアルコアチップを1個のチップとして扱っています。でもなぜか自社のPowerプロセッサの場合は各コアを一個のプロセッサとみなしているようです。

 ソフトウエアベンダーごとにバラバラのロジックでライセンス体系が組みあがってきているので、判りにくくなってきてしまいました。ハードウエアの価格は低廉化が加速度的に進んでいますので、システムを作ろうとするとソフトウエアに必要な費用の割合がドンドン大きくなってきてしまいました。このままでは、主に中小規模のシステムから、どんどん、オープンソースの採用に加速がついてしまって、ソフトウエアベンダ自身が苦しくなっていってしまうと思うのですが、各ソフトウエアベンダーはどんな戦略を考えているのでしょう。

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