ビクターの業績不振が重荷で松下が売却か?

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ビクターは長い間、松下電器産業の傘下で経営を続けてきました。現時点、松下電器は日本ビクターの全発行済み株式のうち、52.4%を補修しています。1954年から松下電器の傘下になっていたということなので、かれこれ50年以上にもなります。

ビクターも以前はVHS型のビデオデッキなどを販売して活気に満ちていましたが、最近ではヒット商品に恵まれず、苦戦を強いられています。特にVHSに続いて発売したビデオディスクプレーヤーであるVHDが大苦戦した上にあっさりとレーザーディスク陣営に負けてしまったのはビクターの経営に大きな影響を与えたものだと思います。(このVHDプレーヤー、ついつい安さに負けて当時購入してしまいましたが、その後、発売される新譜の数がドンドン減っていってしまってとても悲しい思いをしてしまったことを覚えています)


2006年の3月期では連結最終損益が306億円の赤字になっています。薄型テレビの流行に少し乗り遅れてしまったこと、および、DVDレコーダーの品質問題を出してしまったことが要因との記事もあります。

DVDレコーダーの品質問題というのがなんなのかよく知らなかったのですが、あわせて部品メーカーを日本ビクターが訴えたという報道もありました。提訴先の会社はエルナーという部品メーカーです。ビクターのDVDレコーダーで採用しているコンデンサーの不良が問題になっており、このコンデンサを供給したエルナーに修理費用の負担を求めています。

そんなビクターを松下電器は傘下から切り離して、別の会社へ売却の交渉をしているという報道が今日になって流れてきました。交渉先としてはケンウッドやサーベラスが対象になっているようです。現時点ではケンウッドからは「決定していることは何もない」というコメントが出ているようですが、交渉していることを否定しているわけではないので、今回の報道はかなり信憑性が高いのではないでしょうか。

ビクターは歴史のあるメーカーでオーディオが全盛だった頃にはスピーカーやレコードプレーヤーなど高級オーディオの分野で定評がありました。しかし、最近ではDVDプレーヤー、CDプレーヤー、手軽な5.1chホームシアター用スピーカーなどの商品がよく売れていて、国内の他のメーカーや海外の廉価な製品などが電気屋の店頭には満ちあふれてしまってビクターの売り上げにも大きな影響を与えているものと思います。

ビクターはそのブランドについては定評があり信頼性があります。また、ビクターはデジタル技術に関しては他社よりも大きく優れているところというのは見つけにくいと思うのですが、高級アナログオーディオ技術については高い技術力を持っていると思います。デジタル技術に強い会社と組んで高級なAV機器を開発する等、何か特技をいかした成長ができると良いと思います。

(2006/12/24追記)

今日の朝日新聞を見ていると船井電機もビクターの買収に意欲を見せているようです。船井電機は日本ではあまり高級なイメージはありませんが、海外のメーカーにOEM供給などをしていて、収益力の高い会社と注目をされています。このフナイがビクターのブランドを手に入れることができれば、かなり有力な会社になるような気がします。

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