映画「ラヂオの時間」の世界へ

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ラヂオの時間

通勤途上の車内で時間つぶしにということで、「ラヂオの時間」という映画をiPod Touchで、何回かに分けて見ました。いったい、どんな映画なのか、何も知識が無い状態で見始めたのですが、とてもテンポが良くておもしろい映画です。

実際にはこんなこと起こるはずが無いだろうという気も少しするのですが、あまりのテンポの良さに、そのまま映画の中に引き込まれていきます。

物語はラジオ弁天という民放ラジオ曲のあるスタジオで始まります。ある主婦がコンテストに応募した脚本が選ばれて、それが生放送のラジオドラマとして放送される直前のリハーサルでした。そのドラマの舞台は熱海で主婦と漁師が不倫するという内容でした。ところがリハーサルが終わってから、女優が「りつこ」という名前は嫌だと言い始めたことで、ほかの役者も文句を言い始め、徐々に台本がボロボロになっていきます。

ストーリーが進んでいくにつれて、どんどんボロボロになっていく台本、そして、急に台本を直してしまったがために生放送が始まったあとに台本の中の矛盾が見つかってしまいます。

その矛盾を直すためにまた台本の手直し、すると今度はスポンサーへ影響するような部分が見つかってしまったりと、もうどうしようも無い状況になっていきます。さすがに生放送で放送してしまったあとでは、既に放送してしまった部分の台詞を訂正することができません。そこがこの映画を厳しい局面へとどんどん導いていきます。

また、急にストーリーを変更してしまったために、効果音が準備できません。しかも、効果音がしまってあるはずのライブラリーの鍵が無いため、探し出すことすらできない状況になってしまいます。

そんなときに活躍したのがラジオ局を引退したあとに、駐車場で警備員をしている老人です。この人は現役のときにラジオ局で効果音の係をやっていたそうで、手近な物で色々な効果音を作る力を持っている人でした。この人が花火の音、ダムの決壊の音、ロケットが飛んでいる音などを作り出します。この人のおかげで、生放送のラジオドラマは随分すくわれました。

最後にはアッと驚くような見せ場も作ってあり、大変におもしろい映画でした。この映画自体の脚本が非常に優れているほか、この映画に出演している役者さんの個性がよく表れていることが映画をおもしろくしているのだと思います。電車の中で何回か声を出して笑い出しそうになってしまいました。とても、お勧めな映画です。

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