太宰治も愛した三鷹駅近くの跨線橋(陸橋)を訪問

4.5
サイト運営費捻出のため広告を使用しています

跨線橋の大時計

何年かぶりに、三鷹駅から少し武蔵境駅方向に行ったところにある跨線橋に行ってみました。

この跨線橋は中央線の上を跨っているのですが、三鷹電車区の入口付近にもあたるため、跨線橋の下を通る線路の数が多いため、長さが93メートルもあります。

1929年(昭和4年)に作られた、とても歴史のある建築物でもあります。この年は米国の株価暴落に端を発した世界恐慌が始まった年です。正式には三鷹跨線人道橋という名前です。

こちらの跨線橋には作家の太宰治がお気に入りの場所だったことも有名です。太宰治は1939年に三鷹市に転居したあと1948年に命をおとすまで暮らしていました。「いいところがある」と言って編集者や弟子をこちらに案内していたそうです。

スポンサーリンク

跨線橋とトリオ商会

ここは私がまだ子どもの頃にはよく来た場所です。当時は跨線橋の北側には大きな釣り堀があって、その並びにはトリオ商会という模型屋さんがありました。このトリオ商会は二階建ての建物で、HOゲージ、Nゲージの鉄道模型やプラモデルなどが所狭しと販売されていました。

トリオ商会に関してはこちらで紹介しています。

この跨線橋で一通りの電車を見たあとに、トリオ商会で鉄道模型を見るというのが、子どもの頃の定番コースでした。土曜日は3月にしてはポカポカとしてとても気持ちが良かったので、子どもの頃を思い出しつつ、子どもを連れて跨線橋へと向かいました。

三鷹の跨線橋へ

跨線橋に着いたのは土曜日の午後4時過ぎです。夕方も近づいてきて、少々肌寒くもなってきていましたが、すでに跨線橋の上には数組の親子連れがいました。子どもたちはみんな電車が下を通るたびに喜んでいます。

三鷹跨線橋

骨組みには古いレールが再利用されて使われています。

跨線橋の上から武蔵境駅の方向を見ると下の写真のような感じです。

080315_163203.JPG

 

こちらは2015年4月に撮影した写真です。

三鷹跨線橋から武蔵境方面を撮影

中央線の下り線については、この跨線橋を過ぎたあたりから上り坂になっていって、高架の上を通るようになります。上り線については現在は地上を走っていますが、まもなく高架の上に線路が移される予定です。高架事業の影響で、跨線橋が無くなってしまうのではないかと少々心配だったのですが、この跨線橋には影響無しということでホッとしました。

跨線橋の上から三鷹駅方向を見ると下の写真のような形になります。

080315_163228.JPG

釣り堀跡地

また、跨線橋の北側部分、昔、釣り堀があったところは、今は大きな駐車場になっています。昔はここでノンビリと釣り糸をたらしている人がたくさんいてとても羨ましかったのですが、無くなってしまったことはとても残念です。

080315_163415.JPG

模型のトリオ商会跡地

昔、模型のトリオ商会があったところは、全く別の事務所が入っているようです。既に廃業してしまったのでしょうか。

080315_163640.JPG

 

NHK「にっぽん縦断こころ旅」で特集

【2015/05/16追記】

5月13日の放送されたNHK BS プレミアム「にっぽん縦断 こころ旅」で、こちらの跨線橋が特集されました。番組では小学生から大学生までこの三鷹の土地で暮らした人が、失恋したときなどにこの跨線橋によく来て時間を過ごした思い出話が書かれた手紙を番組に送り、火野正平が跨線橋を自転車で見に行くという構成になっていました。

現在は,三鷹駅北口にツインタワーマンションが建ったり、跨線橋の西側も中央線が高架になったりして、ずいぶん周りの光景も変わってきました。

三鷹駅北口のタワーマンション

【2020/05/24追記】

路線バス寄り道の旅でも登場

徳さんの路線バス寄り道の旅を見ていると、こちらの跨線橋から夕日を見た回が綺麗だったと回想するシーンがありました。2018年3月4日放送の「深大寺~吉祥寺~調布」の回でインスタ映えをするスポットを巡る旅でこちらの跨線橋が出てきたようです。今度は夕日の時間帯に行ってみたいと思います。

【2021年5月11日追記】

撤去の動き

こちらの跨線橋は築約90年が経過して老朽化が進行しています。また建設当時の設計基準で作られているため、地震などが発生すると損傷する可能性があります。安全性を確保することが困難なため、JR東日本が三鷹に対して無償譲渡を提案していましたが、三鷹市はこれを拒否したため、撤去の動きが進んでいるようです。三鷹市は維持管理のノウハウやコストに課題があるとして東日本による管理を要望しました。

三鷹市ではプロカメラマンにより写真撮影や記録映像の政策を始めることにしています。

確かに三鷹市の予算で費用を支出するのは難しいと思うのですが、JR東日本が中心になってクラウドファンディングを実施するなど何か別の方法で資金を集めることはできないのでしょうか。高輪築堤のように文化的な価値が高いものの保存に対して前向きに取り組みを進めてほしいと願っています。

ただ、こちらの跨線橋が撤去されたあとは、中央線で分断された南北の横断はどうするのでしょう。少し三鷹駅側に行ったところに人と自転車のための地下道がありますが、そちらまで迂回することになるのでしょうか。

【2021/05/29追記】

跨線橋まで行ってきました。こちらが最新のレポートです。

太宰治も愛した三鷹の陸橋(跨線橋)が存続の危機
三鷹駅と武蔵境駅の間にたくさんの電車が留置されている車庫がありますが、その手前に南北を横断できるとても長い跨線橋があります。この跨線橋がもしかすると取り壊されることになるかもしれないという報道がありました。 5月最後の土曜日に現地まで行って...

コメント