三鷹の「太宰治」文学サロンを見学

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太宰治文学サロン

三鷹駅の近くに最近(2008年3月1日オープン)出来た「太宰治文学サロン」というところに行ってみました。太宰治の没後60周年にあたるため三鷹市の記念事業としてオープンしたそうです。

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昭和14年から三鷹に居住

太宰治は昭和14年(39歳)から三鷹市に住み、斜陽や人間失格などの代表的な作品を次々に執筆しました。文学サロンで貰った資料によれば、当時、太宰治が住んでいた家は畑が広がるなかに3軒ほど建てられた借家のうち西側の家で、6畳、4畳半、3畳に台所などが付いていて、家賃は24円だったそうです。6畳間に机を置いて書斎として3畳間で食事をしていたようです。

元伊勢元酒店の場所

この文学サロンがある場所自体も、「伊勢元酒店」という酒屋さんが営業していた場所で、太宰治自身もウイスキーを買うためにこの酒屋さんに来たことが作品に描かれているそうです。三鷹駅の南口から出て徒歩3分程度の場所にあります。駅前の道を南に真っ直ぐに行って、マクドナルドがあるところの十字路を「さくら通り」の方へ左に曲がり、少し歩いたところ、左手側にあります。

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少々判りにくい場所になるので、この記事の下の方に地図を掲載しておきます。

文学サロンの入り口のガラス扉ですが、どう見ても、押すか引くかをすると開くドアにしか見えないのですが、実は左右に開くタイプのドアです。ちょっと判りにくいです。

文学サロンの展示物

文学サロンの中に入ってみると、中はそんなに広いわけではありません。すでに4組程度のお客さんが熱心に展示物を見ていました。

中に入って右手の壁には昭和20年代の三鷹市の航空写真が展示されています。ここには当時の太宰治のほか三木露風や武者小路実篤の家の場所が表示されています。三鷹市も今では住宅街が広がっていますが、この当時はかなりの部分が畑だったことが判ります。さくら通りはこの当時は川が流れていたことが判ります。品川用水が流れたいたそうです。そして、当時の町並みの写真や三鷹駅の駅舎の写真などが一緒に展示されています。

また、文学サロンの奥の方には銀座のバー「ルパン」のカウンターが再現されています。そのカウンターの横には太宰治が使用していた火鉢が展示されています。

三鷹・太宰治マップ

ほかには三鷹・太宰治マップというものが展示されています。玉鹿石、みたか井心亭、旧宅跡、旧連雀湯、禅林寺、陸橋(三鷹電車区横の跨線橋)、三鷹駅前郵便局、うなぎ若松屋跡、美登利家鮨跡、太宰横町、野川家跡、千草跡など、太宰治ゆかりの場所が判るようになっています。この地図はパンフレットにもなっていて、持ち帰ることも出来ました。

●会場 下連雀3-16-14 グランジャルダン三鷹1階
●開館時間 午前10時~午後5時30分
●休館日 月曜日 (月曜日が休日の場合は開館し、翌日と翌々日を休館)

旧連雀湯跡は現在はホンダの二輪車を販売するショップになっています。

ホンダ 旧連雀湯跡 二輪車ショップ

三鷹市による連雀湯があったことを示す案内板があります。

連雀湯 案内板

隣には下連雀郵便局があります。

三鷹市下連雀郵便局

この比較的近く(三鷹市牟礼)に住んでいた三木露風はこの郵便局からの帰り道、吉祥寺通りに出たところでタクシーにはねられて救急車で病院に運ばれました。昭和39年12月21日のことです。しかし、脳内出血により12月29日に亡くなりました。享年76歳だったとのことです。

こちらが太宰治文学サロンの公式サイトです。

太宰治文学サロン | 公益財団法人 三鷹市スポーツと文化財団

周辺には千草の跡地などもあります。

太宰治ゆかりの地、三鷹市の「千草」
三鷹駅の南口は再開発で駅のまわりが随分変わってきてしまいました。駅から南口に出て左手の方向には、ごきゅう書店など味のある古くからのお店があったのですが、今では取り壊されてしまって、駅前広場とビルに変貌してしまっています。

【2015/06/14追記】

碧雲荘

荻窪駅の近くにも太宰治が一時期下宿(1936年11月から7ヶ月間)していた建物「碧雲荘」が残っているそうです。ただ、こちらの施設が取り壊しの危機に瀕しているという報道がありました。すでに太宰が下宿してから80年近くが経過しているので、本当に今までよく残っていたと感心します。建物を存続することができるのか否か、江戸東京たてもの園のようなところに移築保存という道もあるかと思いますが、今後の動向が気になるところです。

その後、建物は大分県由布市湯布院町に移築されて交流施設として利用されることとなりました。現在は「ゆふいん文学の森」として公開されています。
ゆふいん文学の森 – 文豪・太宰治が暮らしていた碧雲荘

【2021年9月9日追記】

太宰治文学サロンの再訪と太宰治展示室 三鷹の此の小さい家

太宰治文学サロンを再訪しました。また、三鷹駅南口のコラルという商業ビルに「太宰治展示室 三鷹の此の小さい家」が開設されたので訪問しました。こちらで紹介しています。

三鷹駅南口の太宰治文学サロンを見学
三鷹に行く機会があったので、太宰治文学サロンに寄ってみました。こちらの建物は太宰治がお酒をよく買いに行っていた伊勢元という酒屋さんの跡地にあります。 サロンでは、太宰が生きた街 三鷹というタイトルで展示が行われています。 土曜日の午後2時過

コメント

  1. 臨機応変? より:

    吉祥寺でランチ

     吉祥寺はJR中央線で東京からは30分、新宿からは15分ほどのところにある駅です。京王電鉄の井の頭線の始発駅にもなっていて、渋谷駅まで20分前後で行くこと…