青函連絡船「羊蹄丸」の中で昭和レトロな青森の街が再現

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船の科学館に行ったついでに、船の科学館の横に係留されている青函連絡船として活躍していた「羊蹄丸」という船も見学しました。

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青函連絡船は明治41年3月に北海道の函館と本州の青森の間を結ぶ鉄道連絡航路として開通しました。そして、昭和63年の3月に青函トンネルが開通したことを受けて青函航路は80年にも及ぶ長い歴史に終止符を打ちました。

今回見学した羊蹄丸は昭和40年に青函航路に就航した船で、それ以来22年7ヶ月にわたって青函航路で運航を続けてきた船です。昭和63年の3月13日に任務を終了したあと、平成8年3月から船の科学館にて一般公開されました。

Wikipediaによれば、この羊蹄丸の船内で「マリンウェディング」と呼ばれる結婚式が行われることもあるそうです。確かに、40年以上も前に作られた船とは思えないほど、内装はきれいに作り直されています。


鉄道連絡船という役目があるので、港にいるときには船の中へと陸上からのレールが接続できるようになっています。そして、船内には鉄道の車両が入れられるようになっています。荷物などは貨車から積みおろすことなく貨車ごと海の上を運ぶことができてしまいます。この陸とレールを接続する部分が船の後ろ側にありました。レールが3組あることがわかります。

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入り口から船内に入るとロビーになっています。このロビー、意外と広くて、まるでホテルのロビーのようです。

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そして、受付の奥に展示室が続きます。展示室に入ったとたん、ひげの船長さんが船内の解説をしていました。

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そして奥に進んでいくと、海底内の洞窟をイメージした通路の向こう側には、いるかに乗って遊ぶ遊具、そして、水上スクーターに乗って遊ぶ遊具が置いてありました。モニターを見ながら楽しむことができる、なかなか本格的な遊具です。あまり、ほかの施設では見たことがないようなものですが、これは船の科学館オリジナルでしょうか。

今度は下の階へと進んでいきます。下の階は青函ワールドというコーナーになっています。ここはなんだか船の中とは思えない、昔の青森の街が再現されていました。昭和30年代でしょうか。お店や露店、人物などが、かなり精巧に作られて展示されています。また、各種効果音も出ているので、確かに昔の青森の街にきたのではないかという錯覚を覚えます。ラーメン博物館に再現された街やナンジャタウンに再現された街よりも、もしかするとこちらの方が本格的なのではないかとも思います。

リンゴを売っている人

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出札口の光景

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カレーライスを前に眠ってしまった人

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本物のディーゼル機関車(DE10 30)もありました。この機関車に沿うように客車(スハフ44 25)も展示されていました。

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ここでは青函航路に関する6分間のドキュメント番組の放送もプロジェクターを使って行われています。昔の青函航路の映像から青函航路が廃止になるまでの軌跡が描かれていました。

これだけの手が込んだ演出がされている空間がこんなところにあるというのは、意外と知られていないのではないでしょうか。船の科学館にきた人も、まさか羊蹄丸の中が、ここまで凄いことになっているということを知らずに、中を見ることなく帰ってしまう人も多いのではないかと思います。羊蹄丸の中は日曜日の午後にしては、意外とすいていたので、もう少し、宣伝をしてもよいのかなとも思いました。

【2012/09/09追記】

残念ながら船の科学館と羊蹄丸は休館になってしまいました。

船の科学館の休館と羊蹄丸の無償譲渡

特に羊蹄丸については無償譲渡される方向で調整が進んでいましたが譲渡先の調整で難航し、結局は解体されることになってしまったようです。

宇高連絡船愛好會 行事予定・活動報告 : 羊蹄丸定点観察活動 その2

残念ではありますが、保存するためには莫大な費用がかかるので仕方がないことなのかもしれません。

周辺の地図を掲載しておきます。


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