JR北海道へ国交省が「JR東へ技術協力要請を」と指導

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JR北海道

7月24日の読売オンラインに、JR北に異例の指導「JR東へ技術協力要請を」という記事がありました。

JR北海道では今年に入ってからたび重ねて、列車から出火・発煙するというトラブルが発生しています。これを受けて、太田国土交通大臣が7月23日にJR北海道に対して、JR東日本へ技術的協力要請を行うように指導しました。これに対して、JR東日本は「要請があれば対応したい」と前向きなコメントを出しています。

ただ、冷静に考えると、そもそも国鉄を民営化した際に、地域分割を実施した歪がここに来て出ているようにも思います。

1987年に旅客を対象にする会社は下記のように分割されました。

北海道旅客鉄道株式会社
東日本旅客鉄道株式会社
東海旅客鉄道株式会社
西日本旅客鉄道株式会社
四国旅客鉄道株式会社
九州旅客鉄道株式会社

列車を製造する技術についても、会社個々に開発しているのだとすると、非常に非効率なのではないかと思います。一応、各社とは別に財団法人 鉄道総合技術研究所というところが分割民営化の際に設立されており、鉄道技術や鉄道労働科学に関する研究開発、調査等を全般的に手掛ける使命を持っています。

しかし、今回の度重なるJR北海道のトラブルに関しても、国土交通相が支援要請先として指定したのはJR東日本ということで、不思議な感じがしました。

JR北海道の平成23年4月1日から平成24年3月期の損益計算書を見ると、当期純損失が47億8600万円と計上されていました。

同期のJR東日本の決算を見ると、連結で当期純利益が1753億円です。これだけの差があると、新しく車両を開発する際にかけられるコストや、メンテナンスにかけられるコストも差が付いてくるのではないかと想像できます。

特にJR北海道は過酷な自然環境な中で列車の運行を続けなければいけないので、線路の保守等にもコストがかかる上、運行している車両の老朽化も進みやすい可能性があります。また、超ドル箱路線も乏しいことが想像できます。

もともと、政府が民営化の際に分割をすることを要請したのに、トラブルが多発した際に別の会社に支援を要請しなさいということ自体、おかしな話しです。

鉄道を安全に運転することができて、かつ国民にとって便利にするためには、どのような会社の形態にするのが良いか、そろそろ考え直す時期が来ているようにも思います。

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