映画「東京少女」はしっとりとした素晴らしい作品でした

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東京少女

huluで最近ラインナップに加わった映画の一覧を見ていたところ、「東京少女」という作品があったので、見てみました。

東京で暮らす16歳の未歩(夏帆)がホテルの非常階段で地震の拍子に携帯電話を落としてしまいます。その携帯電話は時空を超えて明治45年の時代に落ちてしまいました。その落ちてきた携帯電話を出版社の階段にいた小説家志望の宮田時次郎が拾います。夏目漱石の門下生です。

未歩が何とか電話を取り戻そうと電話をかけますが、なかなか電話がつながりません。しかし、ある夜、自分の電話にしてみたところ、つながりました。出た相手は電話を拾った明治45年の時代の宮田です。最初は宮田時次郎という名前を聞いて「古臭い名前」と言ったり、住所を聞いて「東京市本郷区湯島」という答えが返ってきて疑ったり、うまくコミュニケーションが成立しません。しかし、未歩が突然、昔の時代と電話をしているのではないかと気がつき、西暦を確認することで、100年近くの時間の差があることがわかりました。ただ、時次郎はそんなことを信じません。そこで未歩はタイタニック号が沈むことを伝えました。

時次郎はそれでも信じていませんでしたが、翌日の朝刊一面にタイタニック号沈没のニュースが載っていることで、本当に未来の人と話していることを信じました。時次郎は父親の会社に来ることを求められていますが、小説家として生きて行きたいと思っています。そこで夏目漱石のように宮田時次郎の名前が100年後も名前が残っているかと未歩に聞きました。未歩は図書館に行って、宮田時次郎の本があるか調べてみますが見つかりません。夏目漱石の門下生に詳しい大学教授(未歩の母親の再婚を希望している男性)にも話しを聞きに行きますが、残念ながら作品が世に出ていないことが判りました。

特に感動したのは銀座でのデートのシーンです。老舗の呉服屋さんの前を通りかかったときに、電話でお互い、その呉服屋さんがあることを確認します。そして電話をいったん切ったあと、時次郎は呉服屋に入り手鏡を買い、100年後に未歩という女性がとりに来るので預かっていてほしいと無理やりお願いします。その手鏡を未歩は無事に受け取ることができました。100年のときを超えてプレゼントを渡すという設定、よく考えられているとつくづく感心しました。

携帯電話が100年前の時代に落ちるという本来はまったくあり得ない設定であるにもかかわらず、物語にどんどん引き込まれていき、飽きることなく一気に最後まで映画を見てしまいました。

まったくこの映画の存在を知らなかったのですが、二人の間の恋、親の結婚の行方など、ストーリーも良く練られていて、すばらしい作品でした。

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