三菱自動車「eKワゴン」などの燃費不正表示

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ekwagon

三菱自動車が軽自動車の「eKワゴン」などで燃費が良いように見せかける不正を実施していたことが報道されました。対象車種は下記の4車種で、合計約62万5000台です。(うち、日産向けに出荷したのが約46万8000台)

 三菱自動車 eKワゴン、eKスペース
 日産自動車 デイズ、デイズルークス

この四車種はエコカー減税の対象車から外れる可能性があることが中国新聞で報道されていました。

フォルクスワーゲンのディーゼル車は、燃費を計測するときに特別なモードを準備するという手法がとられていましたが、三菱自動車は申請書に記入する抵抗値に虚偽の値を記載し、本当よりも5%から10%、燃費が良いように見せていたとのことです。こんな簡単な方法で不正が行えるような状況になっているとは思ってもいませんでした。

国土交通省の燃費試験では検査場にある「シャシダイナモメーター」という装置で測定を行います。回転する筒の上にクルマを設置して、ここでクルマを走行させます。ここで発生する排ガス等を分析して燃費を算出する仕組みになっています。実際に走行するときと「シャシナイナモメーター」では空気抵抗やタイヤ転がるときの抵抗が違うので、ここはメーカーが報告した数字を使って補正をかけるのだそうです。この抵抗値で三菱自動車は虚偽の値を申告しました。抵抗値は屋外の試験コースを走行して測定した複数のデータの中央値をとるべきですが低い数値を提出しました。さらに走行方法も国内で規定された方法ではなく米国の方法を利用していました。

この抵抗値を測定する際の走行試験には国の担当者が立ち会うなどのチェックが無いと報道されています。従って、自動車会社が申告してきた抵抗値を嘘と見抜くのは難しいとされています。今回は同じ軽自動車を別の名前で販売している日産自動車が抵抗値を測定する中で測定値が異なることを見つけて三菱自動車に問い合わせを行ったことで見つかりました。

なお、今回見つかった車種以外でも2002年以降に国の定める方法以外で燃費試験データを測定していたという朝日新聞の報道もありますので、さらに影響が広がるかもしれません。三菱自動車の幹部も20日の会見で「誤った方法を採用したクルマの方が多く10車種近く」という回答を実施しています。

もしもエコカー減税の対象車から外されてしまっては購入した人の税負担が増えてしまいますし、また燃費が良いことを信じて購入した消費者は今まで想定以上にガソリン代がかかっていたことにもなります。

デイズルークスの実燃費について消費者がどういう感想を持っていたのか調べてみると、やはり不満を持っていた人が多かったようです。

デイズルークスの実燃費 -

三菱自動車としてリコールをしてカタログ値に直すことは不可能だと思いますので、消費者に対してどんな保証が行われることになるのか、とても気になるところです。

今回の不正については三菱自動車のブランドに傷がついたばかりではなく、日本のクルマは燃費が良いというイメージに大きな傷を付けることになりかねません。

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