官舎を見ていて思ったこと

神楽坂

 東京の地下鉄東西線にある神楽坂駅のほど近く、高台になっているところの比較的広い敷地に官舎と思われる建物が2棟あります。おのおのの棟に20戸程度が入居しているでしょうか。その敷地の外側にあるフェンスには「自衛官募集」という案内が掲示されているので、某A庁の官舎なのでしょうか。

 朝方にここを通ると、運転手さんつきの黒塗りの車が数台、敷地内にとまっています。きっと、偉い人が住んでいて、職場までの送り迎えのために派遣されているのでしょう。でも何となく滑稽なのは、1日のほとんどの時間を費やす自宅は高級官僚も普通の職員さんも一つ屋根の下の同じ規格の官舎に住んでいるのに、なぜ、職場へ行くときの送り迎えというタイミングだけ、黒塗りの車という形で差別化しなければいけないのでしょう。

 黒塗りの車で送迎があるほどの立場の人であれば、自宅を購入したり、転勤が多いのであれば高級マンションを借りたりすれば良いのではないかとつい思ってしまいます。

 また、官舎は数十戸があるように見えるのですが、少なくとも5戸以上は空いているように見えます。これがもしも民であれば、都心の一等地で空いているような部屋があれば埋めることをまず考えると思いますし、最近では社宅の維持コストが高くつくので、社宅制度は廃止して、賃貸住宅に対する手当てを厚くする会社が増えていると聞きます。このようなコストの圧縮ということにも、あまり神経が回らないのかなと思います。

 小泉さんが構造改革をしきりに訴えています。今まで民営化した国鉄、電電公社、専売公社とも競合会社との競争に日々立ち向かい、会社の生き残りをかけて必死に努力しています。

 今回取り上げた官舎の話しがそのまま郵政公社に当てはまるのか否かは判りませんが、このような官舎一つの使われ方を見ても、官であることによる弊害は大きいように思います。やはり、民に委託できる部分は民に委託し、小さな政府を目指していくという姿は良いことだと思えてなりません。

 官舎を見ながらそんなことを考えていました。

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