プリンタ用の再利用インクがピンチ

インクカートリッジ

 インクジェットプリンタで使用する交換用のインクって意外と高いので、私はほとんど純正品を購入していません。いわゆるリサイクル品として安価な値段で売られている製品を使用していました。しかし、これらのリサイクルインクがピンチになる判決が知財高裁でありました。

 インクカートリッジの特許を持つキャノンがリサイクルインクの販売禁止などを求めた訴訟で、キャノン全面勝訴の判決を言い渡しました。一審の東京地方裁判所では再生品は新たな生産とは認められないとして請求を棄却していたので、今回の知財高裁での判決は逆転判決ということになります。

 今回、訴えられた側のリサイクルアシスト社は「プリンタ本体を安く販売しカートリッジを高額で購入せざるを得ないようにして不当な利益を得ており特許権行使を認めると消費者の利益を買いする」と主張しています。私自身は確かにその通りだと思います。しかしこれに対しても「価格設定は特許権者の判断にゆだねられている」としてリサイクルアシスト社の主張を退けました。

 リサイクルアシスト社では上告する方針だそうです。このまま知財高裁の判決が受け入れられるとすると、エプソンのキャノンがプリンタの市場を寡占し、プリンタのインクもこの2社から購入せざるを得ない状況になってしまいます。消費者がいくつかの選択肢をもてるようにしていってほしいと思います。

(2006.2.5追記)

 一方でEPSONについてはインクカートリッジにICチップがついていてインクの残容量が管理されています。従って利用者は詰め替えインクセットなどを買ってきても、このICチップ内で残インク無しと判定されてしまうとインクが注入されたことは無駄でプリンタ側からは認識されません。明らかに詰め替えを防ぐための対策に見えます。でも、このICチップをリセットするための製品も売られています。たとえば楽天市場では「リプログラマー」という商品名で数百円で売られています。これで残容量無しとICチップが認識していても、リプログラムすれば詰め替えたインクカートリッジがまた使えるようになるという商品です。

 メーカーの対策とそれを回避するための手段がいたちごっこになっていますが、どちらにせよ、消費者から見ればコスト高の方向に向かっていることは間違えありません。10年以上前にも日本電気のPC9801が日本の市場を牛耳っていた時にEPSONが98互換機を発売したことに対して、NECは自社で発売しているMS-DOSをEPSONの互換機では動作しないようにするための対策を施していたことがありました。しかし、EPSON側はこの対策を回避するためのパッチプログラムを配布して、日本電気のMS-DOSを動かすことができるようにしていました。結局はPC-AT互換機が日本に上陸してきて割高だった98互換機はもうどこかへ行ってしまったのですが、まさしくこのときの状況に似ているように思います。

 メーカーは何とかプリンタの消耗品を自社の利益に結びつけて安定した収入をあげていきたいと思っているわけですが、そのためにインクカートリッジに色々な対策をとり続けることは結局はインクカートリッジが割高になってしまって、コスト競争力をドンドン無くなっていきます。ここへ、安くて綺麗な印字ができて、消耗品も安く入手できるコンセプトの商品がどこからか投入されれば、今の消耗品ビジネスモデルは、もういつまでも続く物ではないでしょう。

コメント

  1. soho日誌 より:

    リサイクルインク

    2月になりました。1月は「あっ」という間。2月も早いんだろうなー。
    リサイクルインクの特許権侵害が認定されました。
    内容は、インクカートリッジ…