エレベータ事故と保守会社の入札による決定の是非

エレベータ

 連日、シンドラーエレベータの竹芝における死亡事故が報道されています。その報道の中で気になる記事がありました。エレベータの保守管理について、2004年度まではシンドラーエレベータ社が請け負っていたものの、その後の2005年度からは競争入札で保守管理会社を選び直すことになり、2005年4月から翌年3月までは日本電力サービス、そして、今年の4月からはエスイーシーエレベータが保守管理業務を担当していたそうです。

 委託者側から見ると従来の随意契約を続けると、委託費が高止まりしてしまってコストが多くかかってしまいます。そこで、入札を導入すれば企業間のコスト競争が発生して、従来よりも安くサービスを受けられるため、委託者側から見ると非常に都合が良い仕組みです。一方で受託者から見ると、コストを極力抑えないと仕事が受注できなくなってしまうので、極力原価を削減しようとします。結果、無理な受注をしてしまうと安かろう悪かろうになってしまう可能性が制度上残ります。


 これを防ぐために、総合評価方式という入札方式もあって、提案書に対して技術点を付けていって、技術点と価格点を加味して総合的に評価するのが総合評価方式です。こちらの方式であればある程度、安かろう悪かろうは防ぐことができます。

 今回、区の住宅供給公社における入札がどちらの方式で行われたのかはよく判りません。また、保守管理が悪くて事故が発生したときまったわけでも無いのですが、読売新聞の記事を見ると、保守会社が変更になったときに、エレベータの故障が多く発生していたことが、うまく引き継がれていなかったそうです。もしも引き継ぎが確実に行われていれば被擬箇所の点検は入念に行われて今回の事故は防ぐことができたのかもしれません。

 どうしても行政側は入札にしてコストを下げることに感心が集中しますが、入札によって業者のサービス品質が落ちたりすることが無いように入念に監査する必要が生じますし、また業者を行政側の責任で変えたのであれば、引き継ぎも円滑に実施されるように配慮しなければ行けません。むしろ、RFPに引き継ぎに関する仕様を規定すべきでしょう。

 シンドラーエレベータ社の製品に問題が無かったかということについて引き続き調査が行われるものと思いますが、特に人の生命がかかわる分野について、行政における安易に入札にかけて業者へ丸投げする姿勢についても、今後、見直しを実施するべきなのではないかと思いました。

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