固定電話の全国網維持費

NTT電話局

 今日の日経新聞1面は固定電話の全国維持費を全利用者が一律に負担する方向でNTTやKDDIは検討をしているという報道がありました。固定電話の利用者だけではなく携帯電話を使用している利用者にも転嫁をする方向で検討を進めているそうです。

 いったいどの程度の負担を求めるのか、記事を読み進んでいくと、単純計算をすると1回線あたり月額7円の負担となるようです。固定電話と携帯電話2回線を持っていれば、この月額が単純に3倍になって21円になります。

 そんなに大きな額ではありません。でも、固定電話が不採算の地域における赤字は年々拡大していて必要な交付金は2年後には2倍になってしまう見通しだそうです。ちょっと気になる傾向ではあります。

 全国一律のユニバーサルサービスをどのように実現するかは難しい課題だと思います。人口密度が低いと人がいっぱい暮らしている地域と比べると、電話を1回線提供するのに必要なコストは高くなることは確かに想像できます。確か、国鉄も民営化してJRになるときに同じ問題に突き当たって、幹線と地方交通線の2種類の運賃制を導入しました。いわば、コストが割高になる路線は運賃も割高にするという方法です。

 電力会社やガス会社がどんな形でユニバーサルサービスを提供しているのでしょうか。鉄道や電話よりももっと地域会社が細かい単位になっているので、各会社が独立して採算を取ることができるように料金を決定しているように思えます。とすると、今回の議論はKDDIやNTTといった全国単位または地域会社のカバー範囲が広い会社ならではの議論という気もしてきます。


 一方の固定電話については携帯電話の契約までを含めて赤字分の負担を求めるという方向で「どうなのかな?」という気がします。また、この制度が導入されれば赤字分を転嫁していくことが仕組みとして出来てしまうわけで、地方の固定電話網をよりコスト安になるよう原価削減をしようという動きも鈍くなってしまうのではないでしょうか。

 交換機などを軸に形成されている固定電話網はコスト高になってしまいますので、汎用製品が使用できるIP電話への乗換を加速させることで原価を削減できる余地が残されているような気もします。(地方でIP電話を普及させるためには停電で使えなくなる等、IP電話のデメリットを改善して固定電話に近づける努力も必要かと思います)

 日経新聞の記事の中でも消費者団体が難色を示すのではないかと書かれていましたが、今回のこの記事の内容に関しては、まだ会社側の検討段階ということなので、不採算地域の赤字補填のやり方については、これから様々な議論が行われるのではないでしょうか。

(2006/09/19追記)

 今日の報道では総務省側の意向として、「IP(インターネット・プロトコル)電話の活用で維持費用を抑制する」ほか、「利用者負担の不公平感をなくすため都市部での電話基本料引き下げを検討する」という2本柱が載っていました。2008年度に新制度へ移行するする方向で検討を進めるようです。

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