グーグルが提供するゲーム

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PS3どこでもいっしょ

 WEB上をさまよっていると、Googleがゲームを提供しているという情報があってさっそく行ってみました。

 Google Image Labeler

 Guestとしてならばすぐに始められるようなので実際にやってみました。ボタン一つ押すだけで始められます。このゲームはいったいどんなゲームかというと、対戦に参加すると、自動的に対戦相手が選ばれます。対戦相手が選ばれると、画面にイメージ画像が表示されます。

 そして、このイメージ画像に対してキーワードを入力します。制限時間内にキーワードはいくつでも入力することができます。そして、対戦相手が入れたキーワードと自分が入れたキーワードが一致すると得点が得られる仕組みになっています。

 もう、その画像に対してキーワードが思いつかなくなったら、「PASS」します。たったこれだけのゲームです。今のところこのゲームは英語で提供されているので、キーワードも英語で入れないと相手とマッチングしないようでした。暇なときに、何となくやるときにはピッタリかもしれません。


 なぜグーグルがこんなゲームを提供するのでしょう。そこには実に深い訳があります。グーグルがキャッシュしているイメージ画像に全世界の人にキーワードをつけて貰うことが出来るというメリットです。

 今でもグーグルではイメージ検索機能はあります。このイメージ検索はキーワードを入れて検索すると、あまり関係ない画像も表示されるものの、見つけたい画像も結構見つかったりするので、それなりに便利な機能です。

 このとき、グーグルはそのイメージ画像に対するキーワードはそのイメージ画像のALT属性で入れられている文字列か前後のテキスト文書などから自動的に選んでいます。たいていの場合はALT属性はその画像を説明するのに最適なキーワードを入れることが多いので、これでもある程度の精度は得ることができるかと思います。

 しかし、世の中のホームページにはALT属性の無いイメージもたくさんありますし、またホームページの作者が何らかの理由でイメージ画像に対して恣意的に別のキーワードを入れる場合もあります。ロボットで自動的に収集するキーワードではやはりおのずと限界があります。

 とすれば、どうすればイメージ画像のキーワードを正しくつけることができるかと言えば、似ている複数のイメージ画像をロボットで自動的に収集して、各々に付いているALT属性の中で最も多いキーワードを採用していくという方法があるかもしれません。しかし、やはりロボットで自動的にやるのには限界があるでしょう。

 もっとも確実なのは、人間がそのイメージ画像を見て適切なキーワードをつけていく方法です。最もすぐにできるのは、グーグルが何人かの人を雇ってイメージにキーワードをつけていく方法です。しかし、全世界のサイトに採用されているイメージ画像は全部で一体何種類あるでしょう。億の単位でしょうか。この膨大な数のイメージ画像に対して適切なキーワードをグーグルが雇った人間だけでやっていくのには自ずと限界があります。そこでゲーム感覚で全世界の人にイメージ画像に対してキーワードをつけていって貰おうということになったようです。

 では、このゲームはなぜ2人の人に対戦させるのでしょう。それは一人でキーワードをつけていったときに、イメージに対して誤って全く違うキーワードを登録してしまう可能性があるからです。また、恣意的に誤ったキーワードを登録する人が出てくるかもしれません。2人の答えをマッチングさせれば、全く誤った結果が登録される心配がありません。また、相手が誰かは判らないので、二人で相談をして誤ったキーワードをマッチングさせてしまうという悪戯も出来ません。実によく考えられていると思います。

 この2人でやった作業を照合させるという仕事のやり方を見て、昔のことを思い出してしまいました。

 昔、まだパソコンが普及する前は、プログラムをコンピューターに入力する際には「紙カード」を使っていました。紙カードはCOBOLで言えばちょうど1STEP分の文字が穿孔できる紙で、1Ksのプログラムを作れば1000枚の紙ができあがります。紙カード穿孔機を使って自分で紙カードにパンチをしていく方法と、コーディング用紙に手書きでプログラムをコーディングしていって、これをパンチ屋さんに渡して紙カードに穿孔して貰う方法の二種類がありました。このパンチ屋さんに頼むときに、高いコースでお願いすると、同じコーディングシートから別々の人が別々に紙カードに穿孔して、その2種類の紙カードを自動照合して違っているところがあれば、きちんと直してから納品してくれるというものです。こちらの方法でお願いすれば、2倍の工数はかかりますが、まず間違えが無い紙カードが納品されます。(字が汚いと2人とも同じように読み間違って納品されることもありましたが・・) 二人で対戦させるというのは、このダブルパンチの仕組みと同じだなと、ふと昔のことを思い出してしまいました。今から考えれば、とても信じられない作業です。

 私たちも難関が目の前に立ちはだかるとついつい諦めたりもしてしまいますが、このグーグルの考え出すことのように、もっと違った発想で難関を乗り越えていかなければいけないなと、つくづく感じてしまいます。

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