オープンソースで構築した大館市のIP電話システム

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公衆電話

 ベンダーから見積もり2億円のIP電話システムを、自力でオープンソースを使って構築することにより、僅か820万円で構築してしまった自治体(大館市)のことが記事になっていました。

 ☆ 見積もり2億円のIP電話を820万円で構築した秋田県大館市から学べること:ITpro

 内訳はサーバーの費用が20万円、そして電話機500台の費用が800万円だったそうです。ベンダーの見積もりにはベンダー自身の労務費が含まれているので、同じ土俵で比較して良いか否かという話しはありますが、それでも十分に安いと思います。オープンソースを使ったことで、OSやパッケージソフトの初期導入費用や保守費がかからなくなったことが大きいのだと思います。


 今回の施策については、「自前でのIP電話導入をしたらどうか」と提案した職員さんがいたことから始まったそうです。この方は、単に提案したことに留まらず、自宅でAsteriskというオープンソースのIP電話ソフトを使用してみて、そして市庁舎に20台のIP電話機を導入して、離れた庁舎間でも問題なく通話が出来ることを確認したといいます。庁内では、本当に業者で任せなくて大丈夫なのかという声も一部ではあがったのではないかと思いますので、このように順を追って安定性を評価していく方法は周りの人を説得するためにも大きな効果があったのではないかと思います。

 また、IP電話を敷設する場合には既存の業務系LANに載せる場合が多いと思うのですが、セキュリティの面から別にケーブルを敷設したとのことです。このセキュリティというのが、IP電話側から業務系LANをハッキングされるのを防ぐためなのか、業務系LAN側からIP電話をハッキングされるのを防ぐためなのか、またその両方のためなのかは判りませんが、別にネットワークを構築するという考え方も凄い判断だと思いました。

 これだけの大工事を実施したあと、障害が発生したのは1回だけだそうです。サービスを開始したあと1ヶ月でネットワークが落ちるトラブルが発生しました。しかし、このようなトラブルであればベンダーに依頼してIP電話網を構築しても発生する可能性があるので、むしろこの1回だけで済んでいるということがすばらしいと思います。

 しかも、500端末もの電話を接続してAsteriskでIP電話網を構築するのは日本全国でも最も大規模な事例ではないかとも有識者の声が紹介されていました。

 今回は一人の職員さんがきっかけでこの取り組みが始まりましたが、大館市で成功したことは大きな成果だと思います。今後、このノウハウが一般化されて各自治体や中規模の企業で採用されるようになっていけば、ベンダーにとっては大きな脅威になるのではないかと思います。

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