COBOLの復権

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cobol

以前のメインフレーム系システムでは業務ロジックを記述するプログラム言語はCOBOLを利用することが圧倒的に多かったです。COBOL言語は手続き型の言語として少しずつ拡張を繰り返してきましたが、その後、オブジェクト指向が全盛期をむかえ、メインフレームからオープンシステムに置き換えられていくのに従って、徐々にCやJavaなどのプログラム言語に置き換えが進められていきました。

そんな世の中の流れもあって、COBOLというと全世代の古臭い言語のような感じもします。

しかし、ITProにジャパネットたかたの専務執行役員の方の記事が載っていました。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20100319/345984/?ST=system&P=1

ジャパネットたかたでは、約700本、50万ステップにのぼるCOBOLのプログラムがあり、今後もメインの開発言語として据えていくことを決めているそうです。


もしも、COBOLで書かれているビジネスロジックをVBに書き換えた場合、開発期間は1.5倍程度になると発言されています。

COBOLはサーバー上で動くビジネスロジックのことを指していて、VBであれば画面などのクライアントで動くフロント部分に適用するのが通例かと思いますが、なぜこの記事で、COBOLで出来ているビジネスロジックをVBで書きなおすことを前提に話しをされているのかは今ひとつ判りませんでした。しかし、COBOLで出来ているソフトウエア資産をこれからも大事にしていくというのはとても良いことだと思います。

Wikipediaを見ていると、2009年の11月にMicroFocus社のスチュアート・マギルという人が、「稼働中のCOBOLプログラムは全世界で2400億行で年間30億行が追加されている。全世界のCOBOLプログラマは200万人。フォーチューン500の90%の企業はCOBOLプログラムを使用中」という発言をしたということがのっていました。この発言を信じれば、COBOLは古臭い言語ということは全くなく、まだまだ第一線でで活用されている言語だということになります。ちなみにこのマイクロフォーカスというところは1976年に設立された会社で、オープンCOBOL製品を一貫して提供している会社です。

このマイクロフォーカス社の公式サイトを見ていると、面白い記述がありました。「COBOLを選ぶ7つの理由」というページです。(http://www.microfocus.co.jp/support/techtips/cobol_002.asp)

ここには下記のような魅力が列記されています。

(1) ビジネスロジックの記述力
(2) 保守性・可読性の高さ
(3) システム開発方法論としての安定性
(4) 高い実行性能
(5) COBOLプログラマの高度な資質
(6) 高い開発生産性
(Cのステップ生産性は2~3ステップ/人時、COBOLは7~8ステップ/人時とされています)
(7) 将来性

私自身も会社に入ってから最初に教育を受けたのはCOBOLでした。学生時代にはFORTRANの勉強などもしていたので、比較的、なじみやすかったことをよく覚えています。

COBOLは文法上、少し冗長かなと思える部分もあるのですが、逆に文章を読んでいるようにプログラムを読んでいける利点でもあります。

この文法的にCOCOLでかかれたプログラムが冗長に見え生産性が落ちるように見えるところや、最近のソフトウエア工学に追随できていないところが古臭く感じさせてしまうところだと思います。しかし、保守も含めて考えれば、可読性が高いというのは圧倒的に有利で良い言語だと思います。徐々に身の回りでもCOBOL言語を知っている人の数が減りつつありますが、出来れば、ビジネスロジックの中核部分には今後ともCOBOL言語は主流として残っていってほしいプログラム言語です。

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