ソニーのウォークマンがシェアを挽回

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ソニーのウォークマン

携帯型の音楽プレーヤーについては、ほとんどがiPodになってしまって、他のメーカーのプレーヤーは、もう見かけなくなってきてしまったと思っていたのですが、そんな中で嬉しいニュースがありました。2010年8月期の携帯音楽プレーヤーの国内販売シェアで、ウォークマンがiPodを上回りトップになったそうです。

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8月の販売シェア

8月の販売シェアはソニーが47.8%、アップルが44.0%とBCN社からは発表されています。もともと、カセットテープやCD、MDの時代にウォークマンは大きなシェアを握っていたのですが、MP3プレーヤーの時代になってSONYは完全に時代の潮流から取り残されてしまい、iPodに惨敗する状況がずっと続いてました。

一時はiPodはシェアが80%以上になっていた時期もあるそうです。その陰でずっとSONYは努力を続けてきて、シェアを徐々に大きくしていって、ついに2010年8月にシェア1位まで持ち直したことは素晴らしいことだと思います。


この8月は実は特殊事情もあって、新しいiPodの発表を9月に控えていたため、iPodの買い控えが起こっていた可能性があります。9月に入ってすぐに、apple社からは新しいiPod Touch、iPod nano、iPod shuffleについて発表がありました。買い控えをしていた人や今までiPodを使っていた人の買い替え需要が9月から10月にかけてかなり発生すると思います。もしかすると、この時期にウォークマンは一時的にシェアを落とすかもしれません。

シェアの推移

しかし、過去からの経緯をグラフで追っていくと、着実にWalkmanのシェアは上がってきています。グラフだけで見ると、iPodのシェアをWalkmanが奪ったというよりは、APPLEとSONY以外の会社が持っていた市場をSONYが取っていったように見えます。iPodはiTunesとの親和性と他機能化を目指してきているように見えますが、SONYは特に音質を重視しているように見えます。また、東京新聞の報道によればiPodの平均単価は1万7000円なのに対して、ウォークマンの平均単価は1万2000円と5000円も安いので、これもシェアを確保している理由の一つかもしれません。

特に学生が新しく携帯音楽プレーヤーを購入しようと考えたとき、値段という要素は大きいのだと思います。9月、10月については新型iPod効果で一時的にApple社のシェアが上回ってしまうかもしれませんが、中長期的に見れば、Walkmanがシェアを確保し続けてくれるのではないかと期待しています。最近、エレクトロニクスの分野で日本の会社の元気があまり無いように見えていたので、とても嬉しいです。

【2022年5月11日追記】

iPodの終焉

appleが現在の流通在庫が無くなり次第、iPod Touchの販売を終了することを発表しました。これに伴い、apple社は21年間にわたるiPodの歴史に幕をおろすことになります。これからは携帯型音楽プレーヤーの市場ではSONYのWALKMANが独走していくことになりそうです。

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【2023/02/13追記】

SONY創業者「井深大」さんの番組

NHKの「あの人に会いたい」という番組で井深大さんのインタビュー映像が取り上げられていました。

SONYの創業は戦後に日本橋の百貨店の白木屋に事務室を構えて始まったのだそうです。ラジオの修理などを始めたほか、電気座布団なども考案しました。その後、盛田昭夫と共にSONYの前身となる東京通信工業を設立します。

その後、白木屋を追い出されて、吉祥寺に工場を持ちましたが、家主さんから「電気なんかを使うと何をされるか分からないから出ていってくれ」と言われて、再度場所探し、その中で見つけたのが、今のSONY関係の会社が集まっている、品川の御殿山だったそうです。

そこで作った製品がテープレコーダーでした。当時はプラスチックの入手が難しいので、テープは紙製です。テープレコーダーの重さは45Kgもあったそうです。この国産第一号時期録音装置が売れて、翌年には全国の小学校の1/3に売れたというのですから驚きです。

このあとに挑戦したのが、トランジスタラジオです。この頃から、音にこだわり続けていたというのは、本当に驚きです。ちなみに、トランジスタラジオを手掛けたきっかけは、会社で集めた高学歴な人(専門の大学や専門学校の卒業生)を処遇していくために新しいことに挑戦したのだそうです。井深氏は経営という面でも卓越した手腕をお持ちだったことが分かります。

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