「イノベーションのジレンマ」を読みました

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

 この本は実感として共感できるところがたくさんあったので、どんどん読み進むことができました。ハードディスクやフォークリフトなどを例にしながら、破壊的技術と持続的技術について解説が続きます。


 少し最近の例でいうと、MP3プレーヤーは破壊的技術だったと言えると思います。ソニーはウォークマンで非常に高いシェアを持っていました。最初はカセットテープでしたが、その後、コンパクトディスクやMDなど、次々に新しいメディアに対応したウォークマンが発売されました。

 ソニーの製品はデザインが素晴らしいだけではなく、音質も良かったので、マニアに限らず一般の人にも広く受け入れられました。また、多少値段が高くても、やっぱりソニーの製品が欲しいという憧れもありました。

walkman

 しかし、新しいメディアとしてMP3プレーヤーが登場します。自分で持っているコンパクトディスクをリッピングソフトでリッピングしてMP3形式に圧縮します。そして、中国や韓国のメーカーが発売しているプレーヤーに圧縮したファイルをコピーして扱うようになっていました。

 当時は非合法なMP3ファイルも出回っていたりして何となくMP3で音楽を聞くこと自体が非合法でアングラな雰囲気が漂っていました。

 また、当時はメモリーの値段もまだ高かったので、搭載されているメモリーは64MBとか128MBといったオーダーでした。従って、持ち歩くことができる音楽の曲数も10曲とか20曲といったレベルだったと思います。

 ソニーは当時はあまり積極的にはMP3の製品は販売していなかったと思います。傘下にレコード会社などもあり、少しアングラなイメージがする媒体の販売は難しかったこと、およびMDウォークマンなどの製品の販売が順調であり、MDLPなど持続的な技術の発展で十分な競争力が担保できると思っていたのではないかと思います。

 しかし、そこにアップルのiPodが登場しました。iPodはiTunesとセットになっており、iTunesを通して音楽を購入すれば合法的、しかも簡単に音楽を入手できるようになりました。

ipod family

 しかも、iPodはデザイン的、機能的にも優れており、瞬く間に普及し、ウォークマンのシェアが落ちてしまいました。iPodは破壊的技術をまさに具現化した商品だったのでしょう。

 破壊的技術は最初は安価に現れることが多いですが、品質的に市場の期待に答えられないレベルであることが多く、確固たる市場を持つまでにはある程度の時間がかかります。しかし、技術進展により市場の期待に答えられる品質に達した時、爆発的に売れ始めます。当初、利益幅が大きかった持続的技術の発展にこだわった会社は急速にシェアを失って行く形になります。

 これからも、破壊的イノベーションにつながる技術は更に登場してくることになります。そのとき、企業がどのように行動するのか、技術の進歩や変化が更に激しさを増す中で、企業にとっては舵取りが徐々に難しくなっているように思います。

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
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