製造が中国から日本に戻るリショアリングの動き

漓江-阳朔-中国

 今まで、日本の企業は少しでも製造コストを抑えるために、日本国内の製造工場から中国や他アジア諸国の製造工場に拠点を移す動きをとってきました。

 中国と比較すると日本の人件費は5から6倍程度になってしまい、それが製造原価に跳ね返ってしまうためです。さらには現在は円高が進行しており、日本で作ったものを海外で売ろうとすると、どうしても値段が高くなってしまいます。そんな動きと共に少しづつ日本の元気がなくなってきたように思います。

 そんな中、日経ビジネスオンラインの記事に面白い記事がありました。中国でThinkPadなどを開発、販売しているレノボ社が米沢にある日本電気の工場試験的に製造を委託するという情報です。


 こちらの米沢工場は日本電気グループのパソコン生産拠点として約30年の歴史があります。この工場では長年にわたって生産革新の取り組みを続けてきました。その後、レノボ社と日本電気が提携し、レノボ社の幹部がこの米沢工場を訪れることがあり、高い評価をしたそうです。

 同じものをたくさん作る上では中国の工場と比較して日本の工場が勝つことは人件費の問題などで非常に困難なことですが、多品種少量生産の場合には日本にも勝ち目がまだまだあるということで少し希望を持つことができました。

 今までは中国も圧倒的な人件費の安さを武器にしてきましたが、都市部では人件費の高騰が進んでいます。もしかすると、生産拠点を中国に移すという動き自体に今後は変化が出てくるようにも思います。このときの対策としては、中国以外の人件費が安い国に委託することが真っ先に考えられますが、その国でさえ人件費が高騰して行くことは容易に想像できます。そうなってしまうと、生産拠点を繰り返し移して行くような形になってしまいます。

 機械化、自動化、システム化など、できるだけ人手をかけない製造工程を実現し、他の国で製造する場合と遜色がないコストで自国で製造できる仕組みを、今回の米沢工場のように整備していかなければいけないと強く感じました。

 また、HP社も日本向けのパソコンは日本で生産しています。日本の中でも、特に東京を売りにしているところが面白いです。具体的には東京都の昭島市に工場がありますが、日本向け出荷では納期を短くできるなどの利点もあります。さらに日本で生産しているとなれば品質も安心できるイメージがありますし、日本で雇用を創出しているイメージがとても好印象です。

 今回の記事ではパソコンの生産ということで、ハードウエアに関する話題でしたが、ソフトウエアでも、まったく同じことが言えると思います。さらに、ソフトウエアの世界では、まだまた製造の自動化は十分に進んでおらず、人手で一生懸命にコーディングする世界が今でも続いています。自動化に向けた技術開発が各社で進められていますが、コンピュータハードウエアの性能がドンドン上がっていて、あまり職人芸を駆使したようなコーディングが必要なくなってきた現状を見ていると、そろそろ実用できるような段階が近づいていると思います。特に物理的動作が伴い圧倒的にスピードが遅いハードディスクが商用システムから無くなり、SSDで構成できるようになれば、ハードルはかなり低くなると思います。
 
 ソフトウエアの世界でももしかするとオフショアの動きが見直されるときが来るのかもしれません。

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