「危機の時代のやる気学」を読みました

サイト運営費捻出のため広告を使用しています

危機の時代のやる気学

MITて経営学修士、神戸大学で博士、その後、神戸大学大学院で教授をされている金井壽宏氏が書かれた「危機の時代のやる気学 今、必要とされる真のリーダーシップとは?」という本を読みました。

第4章でマズローの自己実現と欠乏動機をはじめとする各種理論が列記されています。昔、学生時代に教職課程をとっていたときに、習った話だったと思います。自分の持論も大事だけれども、このような理論で裏付けした方が価値があるという文脈で各種理論が出てくるのですが、少しこの辺は全体の構成の中で頭に入りにくいように感じました。親和動機、勢力動機の説明あたりは、ちょっと惰性で読むような感じになってしまいました。

しかし、理論の説明の中で冒頭にあるマズローの五段階の欲求説で、下の四段階の実現と最上位の自己実現の欲求の間には深い断絶があるという解説はとても参考になりました。今まで、シームレスに考えていたのです、頭の中によく残りました。

また、色々な本などからの引用が多いです。ビジョナリーカンパニーをはじめとして、経営学を執筆されたヤマト運輸元社長の小倉昌男氏の考え方、ジャック ウェルチ氏の考え方、トラッカーの言葉、コヴィー博士の「7つの習慣」からの言葉などが引用されていました。今まで、色々な本で得た知識を頭の中で体系化するのに良かったです。

また、リーダーシップとは何かという説明では、難しい定義の話しは出てこないで、「後ろを振り返れば、そこに喜んでついてくるフォロワーがいるかどうか」という問いかけこそがリーダーシップ現象が生じていることを確認する試金石となると定義されている点はとても納得感がありました。「無為を為せば、即ち、治まらるところ無し」という論語の引用がある部分では、ついこの意味をネットで検索し調べてしまいました。

本の後半では、目標を持つことの大切さ(目標を設定することに寄り生産性が16%高まるという研究成果は興味深いです)、そして、モチベーションを左右する目標の特徴など、徐々に身近な話題が増えてきました。特に目標の設定に際しては、

・目標は少し高めの方がいい
・目標には具体性、特定性があった方がいい

といった解説があります。この辺の解説は実践で役にたちそうです。

また、各章には著者と野田稔氏の対談があります。こちらも身近な話題が出てくるので、コーヒーブレークとして面白いと思いました。

本書籍の中で紹介されていた幾つかの書籍は、機会を作って読みたいと思います。

コメント