日立製作所がSuicaの履歴を企業に販売

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日立 愛知万博

日立製作所がSuicaの履歴情報をマーケティング情報として企業に提供するサービスを7月1日から始めるというニュースリリースが今、ネットで話題になっています。話題とは言っても、ほとんどが批判の声です。

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公開される情報

Suicaに記録されている、

乗降履歴
利用時間
利用者の年齢
利用者の性別
利用目的?(ITmediaの記事より)

などの情報がJRから日立製作所に開示されているようです。日立製作所への履歴情報の提供は、JR東日本から「個人情報を含まない形で提供されている」としていますが、詳細に分析すればほぼ個人が特定できてしまうような感じもして、非常に気持ちが悪いです。取り敢えず、「住所や氏名がなければ個人情報では無い」ということなのでしょうが、本当に個人が特定されることが無いのか気になります。

色々と調べてみると、飲食や物販のデータは含まれていないとか、統計データとしてしか渡していないなど、一定の節度は持った対応が行われているようですが、果たしていかがなものなのでしょう。

jreast

Suicaと言えば、ICカード乗車券として、すでにインフラの一部となっており、「規約に同意できないのであれば、使わなければいい」というJRの論理は通用しないと思います。

また、オレンジカードのときには、プリペイドすることで、少しの利用者側の特典があったものを、Suicaにしたことで、その特典を無くしてしまったり、また情報の二次利用で更なる利益を得ようというのは、JRのエゴのような気がしてなりません。

本来はこのような統計情報はJR自身が自社の顧客サービス改善のために使うのがまずは先決だと思います。JRとしては、当然、活用はしているのでしょうが、消費者の立場からみると駅の構造、自動改札機の数、自動券売機の数、電車の本数などに、このデータが活かされているようには思えません。

なぜ日立製作所が発表?

しかも今回は日立製作所側がニュースリリースとして発表しており、JR東日本の報道発表ではありません。従って、同様な情報が他者にどの程度、販売されているのかは、消費者側からは知る手立てがありません。

JRのような公共サービス事業者が利益確保優先で情報を他者に提供する姿勢が優先されるのは、公共サービスを提供する会社として如何なものかと思います。

この動きは結局は個人情報の保護をめぐって一部の利用者から懸念の声が出たため、民間企業への提供を停止しました。

【2022年2月2日追記】

JR東日本がSuica利用客情報を匿名化して販売へ

今度はJR東日本がICカード「スイカ」の利用客データを匿名化して民間企業に販売することを検討する方針を明らかにしました。個人の情報は判りませんが、利用客がどの駅で乗り降りしたか、および性別が企業からは判るようになります。今回は買い物の購入履歴は対象外にするとしています。

ただ、どんなに匿名化をしても、複数の公開された情報を集めて機械的に処理することで、人が特定できないのかということがとても不安です。一般企業とは言っても悪いことに使おうとしている人にデータが提供される可能性もあるので、非常に怖い動きだと思いました。

なお、同様のデータは既に自治体に対しては有料で提供されているのだそうです。

オプトアウトの申請

希望する利用者は公開を希望しない(オプトアウト)ように設定することができます。オプトアウトはこちらのページからできます。

Suicaに関する統計情報の当社グループ外への提供|各種手続き|Suica:JR東日本
ますます広がるタッチ&ゴー!JR東日本の「Suica」公式ホームページ。電車でも、バスでも、お買い物でも「ピッ」。Suicaを使えるエリアが広がって、ますます便利になりました。

自分でスイカの番号を打ち込まなければならず、非常に申請が行いにくいです。JREポイントなど、すでにスイカの番号を登録しているサイトから簡単にオプトアウトの申請ができるようにしなければいけないと思います。

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