秩父市からの自衛隊災害派遣要請を埼玉県が拒否した裏側

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井の頭公園のボートと雪

2月14日から関東近県でも大雪が降り、各地で交通が遮断されて孤立する場所が発生しました。特に事態を重く見た秩父市は2月15日に埼玉県に対して自衛隊の災害派遣要請をしていましたが、それを埼玉県は拒否していたという報道が各マスコミで行われていました。

2月19日には毎日新聞で続報が記事になっていたので読んでみると、埼玉県の上田知事の行動が明らかになっていました。

上田知事は2月15日の夕方は埼玉サイクルエクスポ2014に出席していて、15日夕方に埼玉県危機管理防災部長から上田知事に現地の状況と秩父市長の意向を伝えましたが、「除雪のための派遣要請はできない」と判断したそうです。

翌日の16日には埼玉クイズ王決定戦に参加した後で新病院の起工式に出席していました。秩父市からの災害派遣要請が続けて行われていたことは知っていたと新聞では報道しています。

土日にまで渡って公務を行われていたので、大変なことだとは思うのですが、このような判断に至った経緯については気になるところです。

その後の報道を見ると、上田知事からは、「断ったとか断らないという世界ではない。人命救助は緊急かつ切迫した危険があるかどうかが一番の判断。県と自衛隊の判断の中でそこには至っていなかった。断られたと理解されるとつらい」という発言がありました。

従って、この情報を見る限りは埼玉県の独断で災害派遣要請を断ったという状況ではなかったようです。

ただ、山梨県、群馬県や長野県については、15日のうちに災害派遣要請をしたのに対して、埼玉県については、秩父市が大変な状況になっていたにもかかわらず、災害派遣要請が17日まで遅れてしまったことは事実です。

誰が悪いという議論よりは、今一度、大規模な災害が発生したときの対応プロセスを洗い出して、今回の反省をいかして改版を行い、定期的に災害復旧訓練を実施することが大切なのだと思います。

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