JR東日本が東京都心と羽田空港間に新線建設「羽田空港アクセス線構想」

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羽田空港の利用者拡大

羽田空港は新しい滑走路の拡充を進めてきており、国内線の航空路線のほか国際線も順次就航しはじめています。現在は羽田空港へのアクセスは東京モノレールか京浜急行を使うことになりますが、前者は浜松町駅が起点、後者は新橋駅、品川駅などを経由という形になっており、東京駅や新宿駅から羽田空港へ行こうとするとどうしても乗り換えが必要になってしまいます。

また、両路線とも羽田空港へのアクセスを少しでも便利にするために列車の増発などを進めていますが、これからの航空路線の充実に伴い増加するお客さんを都心に輸送するには不安な部分もあります。政府では昨年1000万人を超えた訪日外国人を平成42年までに3000万人に増やす計画であり、そのときにはこの羽田空港を利用する人の数も大きく増加することになります。

JR東日本の新路線

そこで、JR東日本は東京都心と羽田空港の間で新しい路線を開業させる方向で検討を進めています。すべての区間を新しく作るわけではなく、田町駅付近から大井埠頭までは使っていない貨物専用線(東海道貨物線)を使って、大井埠頭からは新しく地下トンネルを作って羽田空港の下まで行きます。

本当は東京オリンピックが開催される2020年に間に合えば、東京にたくさん来る外国人の皆さんを混乱無く案内できるようになるのですが、空港の下が複雑になっていて設計や開発に10年ほどかかるとJRでは想定しており、開通は2025年度となるようです。この新しい路線によって、東京駅から羽田空港までの所要時間は18分程度になります。現在は同区間が30分程度の時間がかかりますので、およそ半分近くの時間で移動できるようになります。

また、この新線は東京臨海高速鉄道りんかい線と東京貨物ターミナル駅の北側で新線と接続する予定もあります。りんかい線そのものは現在でも大崎駅でJR埼京線と直通運転をしていますので、新宿駅から羽田空港まで乗り換えなしで行くことができるようになります。この場合の所要時間は現在の約40分からやはり半分近くの23分程度に縮まります。また同じりんかい線を使えば、新木場、千葉方面に羽田空港からの直通電車を走らせることもできます。もちろん、羽田空港と成田空港を直通するような列車も運行されることになるのでしょう。

今回のJRの構想は京浜急行にとっては大きな脅威になるように思えます。東京駅に新線がつながれば、現在建設中の東京-上野間の東北縦貫線を使って北関東や東北との直通電車も実現します。羽田空港へのアクセスはJRの方が優位になる可能性があります。ただ、京浜急行がこの動きを静かに見守っているとは思えませんので、今後の動きが気になるところです。

過去には新幹線の構想も

【2014/07/27追記】

過去の記事を見ていると、羽田空港までの新幹線構想というものもありました。

羽田空港と品川の間に新幹線構想

今回発表された案は新幹線ではなく在来線を延長する形になるものと思います。新幹線だと遠距離から来るお客さんにとってはとても便利になりますが、東京近郊に住んでいる人から見ると不便かもしれません。在来線で作った方がいろいろな路線と相互乗り入れをすることができるので、便利になる人は多いのではないでしょうか。

【2014/08/20追記】

JR東日本からの正式発表

8月19日にJR東日本から正式に新路線に関する説明がありました。「羽田空港アクセス線構想」という名前です。正式発表の内容はほぼ事前に報道されていた内容と同じでしたが、2020年の東京五輪に間にあるように空港近くに仮設駅を作って、競技会場が多い臨海部まで暫定開業することも検討しているという情報が追加されていました。

【2014/08/21追記】

東京モノレールも東京駅まで延伸

現在、羽田空港に行くための重要なアクセスインフラの一つ、東京モノレールは現在は山手線の浜松町駅が起点になっています。ただ、意外と浜松町駅で乗り換えをするのは面倒くさいのも事実で、本当であれば、品川、渋谷、東京など、ほかのターミナル駅につながってくれないかと思っていました。

そんなところで、8月20日になって日経新聞の記事で、東京モノレールが浜松町駅から東京駅までの約3Kmの区間を延伸する構想があることを報道しました。基本的にJR山手線に沿って高架の軌道を建設する構想です。東京モノレール自身がJR東日本の子会社なので、比較的延伸に関する調整も実施しやすかったのでしょう。

現在、東京駅から浜松町駅で乗り換えをして羽田空港に行く際には国内線ターミナルまで28分の時間がかかりますが、もしも東京駅までモノレールが延伸した場合には約23分に短縮されます。約5分の時間短縮ですが浜松町駅で乗り換えをせずに行くことができるのは利便性が非常に上がると思います。特に新幹線から降りてそのままモノレールに乗ることができるのは便利です。

設計や建設には10年がかかると予想されており事業にかかる費用は1095億円となっています。先般発表された羽田空港アクセス線構想と並んで、これから増加する羽田空港の旅客に対応するしていくためには、ぜひ進めて欲しい構想だと思います。

【2015/04/05追記】

東京オリンピックに間に合わせることを断念

今日の新聞を読んでいると、JR東日本が羽田アクセス線を2020年の東京オリンピックまでに一部区間で暫定的に開業する計画を断念することが判ったと報道されていました。断念の理由は予算面の問題で、2024年になる予定なのだそうです。

ただ、もしもアクセス線が拡充されないと、東京オリンピックの際にたくさん来日する外国人の輸送力が足りなくなるかもしれません。もしかすると、JR東日本としてはアクセス線が予算的な面で間に合わないということを発表して、資金を集めることを考えているような気もします。

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