成田空港が国内線利用者にも施設利用料を徴収の方向

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成田国際空港

9月9日の日経新聞に成田国際空港が国内線利用者からも施設利用料を徴収する方向で検討していることが記事になっていました。2015年3月からの実施を軸に検討しているようです。大人一人1000円以内、800円程度で検討しており、徴収したお金はロビーでパソコンを使うための電源の設置やトイレの改良、手荷物カートの利用、フライト情報の提供などの費用に充てるのだそうです。

正直、羽田空港と比較すると成田空港は都心からも遠く移動に時間がかかります。その上、移動にかかる交通費も高く付くのに、この上、成田空港に発着する国内線利用者からも施設利用料をとるという発表をこの時期にするその気持ちがよく分かりません。

羽田空港は国際線がこれからも充実していく計画ですので、いくら東京オリンピックで外国からの観光客が増えるとは言え、長期的には成田空港はジリ貧になってしまうのではないでしょうか。そのとき、成田空港にどんな魅力をつけていくのか、その構想がまるで明確ではありません。念のため、「成田空港 将来構想」をキーワードにして検索してみましたが、特に情報は見つかりませんでした。最初に見つかったのはやはり成田の将来を危惧したブログの記事でした。

 ☆未来のない空港 – オリオン座が沈む窓

羽田空港はJRやモノレールなどが相次いで都心へのアクセスを改善する発表をしており魅力がアップするばかりですが、成田空港というのは今後どうなるのでしょう。ロビーでパソコンを使うためのコンセントの設置など、むしろ当たり前のことで、サービス水準の向上という台詞から考えてみるととてもチープだと思います。

また、格安航空会社向けには施設利用料の減額も検討すると発表されているのですが、これも筋が通っていません。格安航空会社を使う利用者は空港施設をあまり使わないということなのでしょうか。意味が分かりません。全ては成田空港が格安空港会社の便数は増やしていきたいなど成田空港自身が中心の考えで徴収のレベルを決めており、「サービスレベル向上への対価を求める」という大義名分とまったく一致していません。

まずは成田空港が行わなければいけないことは将来のビジョンを広く国民に知らせること、そのビジョン実現に向けた道筋を明らかにすること、その達成に向けて更なる財源が必要なのであれば、これを関連づけて説明することが必要なのではないかと思います。都心からのアクセスの悪さがこのビジョン作成にも影響を与えているのかもしれません。

国内線の利用客は2013年度で520万人程度がいるそうなので単純に計算すると20億円程度の増収になります。これが本当に利用者にとって価値のある形で投資が行われていくのか否か、本当に気になるところです。

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