小田急電鉄が2018年3月からラッシュ時に大幅運転本数増

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Yahoo!ニュースを見ていると、小田急電鉄が2018年3月に抜本的なダイヤ改正を実施して、ラッシュ時のピーク時における最大運転本数を3割増加させることを発表したことが紹介されていました。


小田急線はメインは新宿駅と小田原駅の区間を結んでいますが、相模大野駅から片瀬江ノ島駅までの支線、新百合ヶ丘駅から唐木田駅までの支線が別にあります。小田原方面から来る電車のほかにこれらの支線から新宿に向けて集まってきます。また、各駅停車の他に準急列車や急行列車が走っていますが、一定区間にあまりにも多くの電車が詰まっているので、優等列車が各駅停車を追い越すことができず、どの列車もノロノロと走らざるを得なくなります。これが複々線化によって随所で各駅停車を優等列車が追い越すことが可能になるので、所用時間も短縮できます。また、各駅停車自体も主要駅で優等列車に追い越されるのを待つ必要がなくなりますので所要時間が短くなります。平日午前8時30分に新宿に到着する電車で、経堂駅、登戸駅、小田急多摩センター駅からは5分の短縮、町田駅から新宿駅までは10分の短縮につながると小田急電鉄では発表しています。

小田急線は東北沢駅と和泉多摩川駅のあいだ、10.4Kmの区間で複々線化を進めていて、すでに世田谷代田駅と和泉多摩川駅の間、8.8Kmについては複々線で運行しています。残りは東北沢駅と世田谷代田駅間の1.6Kmが2017年度内に複々線化されることで事業が完成します。これを受けて、ラッシュピーク時の運転本数が3割増えます。これにより混雑率が189%から160%に緩和されます。今回の東北沢駅と和泉多摩川駅間の複々線化事業については1989年に工事着手をして3100億円もの投資をしてやっと実現が近づいてきました。かなり昔、混雑する上りの電車を見ながら下り、町田方面の電車に乗っていた時期がありますが、今でもその混雑の様子は目に焼き付いています。乗り換えに利用していた下北沢駅も今や地下化されてしまいましたので、ずいぶん、小田急線の印象も変わってしまいました。

たとえば、JR中央線では三鷹駅から御茶ノ水駅までの区間が複々線になっていますが、各駅停車と快速で走る線路を分けています。御茶ノ水駅から各駅停車の列車は千葉方面へと行くため、御茶ノ水駅から東京駅までは複線のままでパンクすることはありません。この区間については昭和40年代には複々線化が完了していましたので先見性があったと言えるかもしれません。もしも、この事業を実施する時期が遅れていたら、天文学的な投資が必要になっていたのではないかと思います。

小田急線でも代々木上原駅から向ヶ丘遊園駅までの区間が複々線化されれば、代々木上原駅から新宿駅までの区間が複線のままとなります。しかし、代々木上原から先は地下鉄千代田線に乗り入れる電車がありますので、うまく分散される形になります。今回、ラッシュ時に増発される列車についても、代々木上原から地下鉄に乗り入れる列車を主に増やすことにしているようですので、小田急線沿線から都心への利便性がより高まることになります。千代田線は代々木上原を出ると、表参道、乃木坂、赤坂、国会議事堂前、霞ヶ関、日比谷、大手町、新御茶ノ水などを通りますので、通勤もかなり便利になると思います。

今後、日本全体では少子化に伴う人口減が想定されていますが、東京への一極集中の傾向に大きな変化はないでしょう。今回の小田急線の複々線化が経済活動にどんな好影響を与えるのか、非常に楽しみです。

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