ソフトバンク携帯子会社が資金調達のために上場か

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昨日、ソフトバンクの携帯電話子会社が株式上場を検討していることが明らかになり、各紙が報道していました。この報道を見たとき、「ソフトバンクはもう上場しているはずだけど、今さらなぜ?」と思ったのですが、「携帯電話子会社が上場」というところがミソのようです。すでに親会社の傘下にある事業の価値は親会社の株価に反映されているように思えるので、子会社の株式を新規に上場したところで、新たな価値が生じるようには思えないのですが、どういうカラクリになっているかが判りません。

親会社と子会社がそれぞれ上場する例は欧米では少ないようですが、日本では三菱商事の傘下でローソン、イオンの傘下でミニストップ、山崎製パンの傘下で不二家、ソフトバンクグループの傘下でヤフー、ビックカメラの傘下でコジマといった例があるそうです。ただ、コジマの例を考えると、そもそもコジマは単独で上場していた企業でしたが、後からビックカメラに買収されて子会社になった形ですので、今回のソフトバンクの例とは少し違うようにも思います。

2018年内に東京証券取引所の第一部に上場し、およそ2兆円もの資金調達を行うというのですから、スケールの大きな話です。ただ、現在、ソフトバンクグループが金融機関から借り入れている金額の合計は全部で約15兆円と報道されていますので、その金額から見るとかなり小さな数字です。この借入額が大きくなっている理由は、例えば英国の半導体設計大手のアーム・ホールディングスを2016年に約3兆3000億円で買収したときの影響なども含まれています。ただ、このアームホールディングスの買収などがどうソフトバンクグループ全体の経営に効果が出ているのかは現時点では判りません。今後、IOTが本格的に社会に浸透する際に何らかの買収効果が出てくるのでしょうか。

ソフトバンクグループの借入額から見ると2兆円は大きな数字ではないといえ、株式市場への上場の大きさから考えると、その規模は1987年に上場したNTT(日本電信電話株式会社)の規模、当時約2兆2千億円にも匹敵する大きな案件となります。

日経新聞によれば携帯電話子会社が上場したとしても、ソフトバンクグループとして7割程度を保有する見通しと報じていますので、実際に市場に出回るのは3割分ということになるのでしょう。ソフトバンク自体は検討している案の一つではあるが、決定した事実は無いとコメントを発表しています。これから先も、積極的に大型の買収を検討しているソフトバンクグループとして、今回の資金調達が行われときにどんな新たな動きにつながっていくのか気になるところです。

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