ヤマト運輸が大口顧客との契約交渉で6割が値上げ了承

今日の報道を確認している中で、ヤマト運輸が大口顧客との値上げ交渉の結果、Amazonジャパンなどの6割の顧客が値上げを受け入れたことを発表しました。

宅配便の業界ではあまりにも荷物の数が増えすぎて労働環境が大きく悪化したことや人不足も重なって、ヤマト運輸としては労働環境の改善のために是が非でも値上げを実現する方向で交渉を進めていました。

今回の交渉の結果、値上げ幅の平均は15%を超えます。逆に値上げを受け入れなかった4割の顧客はヤマト運輸以外の別の業者を利用することを表明しているとのことでした。

他社を利用すると言っても、他社はクロネコヤマトの動きを見て値上げの検討を進めることは間違えないと思います。そのとき、各大口顧客がどんな動きをとるのかはきになるところです。

物流のコストが上がってしまうことは、ネット通販などを利用する消費者の立場としては影響がありますが、値上げ=悪 という感覚が残っているままだと、経済が挽回できず給与も上がらないし労働環境も改善しないという悪循環が回ってしまいます。

ただ値上げが進みすぎると、それはそれで経済へ悪影響がありますので、グローバルで見たときに価格が余りにも安すぎるものは是正するという取り組みが必要なのでしょう。

ヤマト運輸と各大口顧客との間の価格交渉は相対取引のはずなので、その契約条件について口外することはできないのではないかと思います。ヤマト運輸がAmazonという具体的な名前を上げて良かったのかどうかは少し記事を読んでいて気になりました。

【2019/10/22追記】

ダイヤモンドオンラインによると、ヤマトはAmazon向けの運賃を値下げすることで合意したようです。2016年に人手不足に陥り、労働基準局からの是正指導も加わってアマゾンに対しては値上げ交渉をした経緯があります。記事によると当初は一個あたり280円程度だった宅配料金が400円程度に値上げされたようです。

Amazonではデリバリープロバイダとして数社に宅配を委託して荷物の配達を行うようになり、ヤマトでは取り扱う荷物が減りすぎて経営にも影響すると危機感があったようです。

ずっと昔、東名阪で中距離貨物をやっていた大和運輸が宅急便事業を開発して見事に事業転換した話しは有名です。宅配便事業は簡単には真似できないもので、ブルーオーシャンの開拓に成功しましたが、すでに時間が経ったことで他社でも同様の事業ができるようになり安値競争が行われています。

ヤマトでは次の新しい事業の柱を作っていかないと今後の大きな成長は難しいかもしれません。

【2019/11/05追記】

週間東洋経済によれば、Amazonは2年前にヤマトへの委託比率は7割強と非常に高かったものの現在では3割強にまで激減したそうです。Amazonは地域限定の複数の配送業者、いわゆるデリバリープロバイダとの契約を本格化したほか、2019年1月からは個人事業主に直接委託するアマゾンフレックスを始めています。今から大幅にヤマトの委託比率を上げることは難しいかもしれません。

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