吉野家が赤字なのは今のままでは必然的かもしれない

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吉野家 牛丼

先日、報道を見ていると、吉野家ホールディングスが2018年3月から11月までの連結決算で純損益で15億円の赤字になったとレポートしていました。この期間での赤字は5年ぶりだそうです。

この報道を見てすぐに東京都郊外の駅近くにある吉野家の店舗に入る機会がありました。ここのオペレーションがひどい。

店は間口は狭いのですが奥に向かって長さがあります。その一番奥に厨房です。座席は入り口から見て左側がカウンター席、右側がテーブル席が何個かあります。カウンター席は席があまりないのと、詰め合わせて座りたくないお客さんはテーブル席に流れてしまうので、テーブル席が一人客で占領されていきます。

しかも、テーブル席に座ったお客さんは居心地が良いためか、長く占領している人もいます。

お店に入ったら、奥の厨房から「いらっしゃいませ」という声はするものの、お茶を持った店員さんはいっこうに現れません。ホールには日本人の店員と外国の日本語があまり上手では店員さんがいるのですが、どうも注文をとらせに行くのは、日本語が不得意な外国の人に押し付けているようにも見えます。

外国人の店員さんは注文をとふときに何度か聞きなおすことになるので、オーダーをとるのも時間がかかり、それが効率を落としているように見えます。

また、日本人の店員は例えばレジに弁当を届けるといったことの帰り道に手ぶらで厨房方向に戻っていきます。この時にテーブルの上に残った食器を片付けるとか、オーダー待ちの人の注文を聞くといったところまで配慮がまわりません。お客さんに呼ばれて、そのお客さんの方に戻っていくような動きをしています。

店が縦に長く、もともとオペレーション効率が悪いのに、店員がそれを補うような動作ができていないので、ますます効率が悪くなるという悪循環でした。

最後に会計をするためにレジに行っても、厨房からテクテク歩いてくる店員を待たなければいけないですし、Tカードはありますか?と言われてゴソゴソと財布の中を探す人、クーポン券を使いたいのでとお客さんが言った後にスマホでクーポン券を探し始める客、なにをとってもカオスな状況でした。

クーポン券やカードにそんなに拘りがあるのであれば、自動券売機を入れるしかないでしょう。店内の配置や店員のデフォルトの立ち位置をきめるようなあことも必要です。

ここの吉野家は夜は吉呑みのお客さんを増やそうと当初はしていたようですが、あまりお客さんを呼び込むことができずに、少しずつ悪循環に陥っているように見えます。

吉野家の店舗は全部で約1200あるのですが、そのうち500店をキャッシュ&キャリー方式に切り替えようとしています。すでに改装を実施した恵比寿の店舗では、客先にコンセントを付けたり、メニューに唐揚げ丼やケーキ、コーヒーを加えたりしているそうです。これらの取り組みで、すでに改装した13店舗では男性客は横ばいであるものの女性客が47%も増えたという統計があります。

今後のセルフサービス店導入がどのような効果をもたらすか興味深いです。

【2019/02/07追記】

報道記事を見ていると、堀江貴文さんがツイッターで、「商品の値段を上げることも難しいとしながら《そうなると、コンビニが牛丼を本格的に始めた時に差が全くなくなる、というかバイイングパワーで圧倒されるので吉野家の崩壊の序曲ですねこれは》」と呟いたことが紹介されていました。

ただ、この意見には疑問です。コンビニの牛丼よりも吉野家の方が私は圧倒的に好きなので、コンビニで牛丼を買うことはありません。店頭で食べればレンジで温める必要もなく、また比較的、添加物のことなどを心配しないで食べられるのは圧倒的な優位性だと思います。

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