通信契約と端末のセット割禁止を閣議決定

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スマートフォンの利用に際して、通信契約と端末機器の代金をセットにして割り引くという販売方法を禁止にすることが閣議で決定し、この夏以降から施行される方向になったと日本経済新聞で紹介されていました。

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今までの経緯

初期コストの抑制

以前からスマートフォンの機器代金と通信回線料金を抱き合わせで2年契約にするような販売方法が大手の携帯電話会社を中心に行われてきました。スマートフォンの機器代金が2年間の月賦での支払いになるので、10万円ほどの端末でも2年間の月々にならすと4000円ほどになります。これに月々割等の機器代金の割引が行われて、通信回線と合わせて、7000円ほどの支払いになるので通例でした。

消費者から見ると、初期の段階で10万円といった多額の金額を準備する必要が無い代わりに、通信料金と機器料金を合わせて十数万円分の契約をするような状況になっていました。また、「スマホ代金、実質無料」、「実質6万円」等の派手な宣伝が行われて、とてもお得に見えていたのも事実です。しかし、実際にはスマホ代金が割り引かれているのか、通信料金が割り引かれているのかはよく判らない状況になっていました。

このような制度が通例化していたので、消費者は2年に一回の割合で端末を買い替えることが、ほぼ当たり前になっていました。従って、AppleのiPhoneのような高いスマートフォンが日本ではよく売れるという状況にもつながっていました。逆に同じ端末機器を使い続けている人と端末を2年ごとに買い替える人とで不公平感があることも指摘されていました。

しかし、消費者の家計に対する負担から見ると、4人家族でそれぞれがスマホを持つと、月々3万円ほどの出費になってしまい、大きく家計を圧迫します。

格安SIM(MVNO業者)の登場

政府でも以前から問題視しており、いわゆる「格安SIM」と呼ばれている大手の通信キャリアからまとめて回線を借りて消費者向けに切り売りする、MVNO業者を育てて、今の通信料金のあり方に風穴を開けようとしていました。しかし、スマホの設定などに詳しい人の格安SIMへの乗り換えは進んだものの、ほとんどの人は大手キャリアをそのまま使い続けているのが現状で大きな変化につながっていません。

やはり、大手キャリアは安心なのに対して、格安SIMは通信速度に問題がある、乗り換えるのが面倒くさそう、大手キャリアから配られているメールアドレスが使えなくなるといったイメージがあるのが原因なのではないかと思います。

閣議決定

通信契約と端末機器の代金をセットにして割り引くことを禁止することを閣議で決定したとのことです。そして、今国会に議案を提出して成立を目指します。

スマホ機器販売への影響

これがもしも施工されれば、消費者が端末を乗り換えることは、初期投資額が増えるので、かなり大きなハードルになります。10万円ほどするiPhoneを気軽に購入するわけにはなかなかいかなくなることになります。結果として、同じ端末を使い続ける人が増えるほか、買い替えるにしても、市場で1万円から4万円ほどで販売されているいわゆる格安スマホや中古端末、型落ちの端末を購入する人も増えるのではないかと思います。

アップルでは新たに販売されるiPhoneは高額な商品ばかりになっており、低価格のiPhoneが必要な場合には、既に数世代前の機種となったiPhone SE、iPhone 7や8を購入する形になっています。ただ、今後は5Gといった新しい通信規格には対応していないこともあり、iPhoneを離れてandroid端末に乗り換えてしまうユーザーも増えるのではないかと思います。そろそろ、アップルでも手が届きやすい価格の新製品を準備しないといけない時期に差し掛かっているのではないでしょうか。

今後の各メーカーの動きや消費者の動向が気になるニュースです。

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