横浜の金沢シーサイドラインの事故

2019年6月1日の20時15分に、横浜の新杉田駅で発生したシーサイドラインの逆走事故は色々な機関で報道が繰り返されています。今のところは事故の原因はわかっておらず、また運営会社の記者会見で「逆走事故は想定していなかった」という発言も大きく取り上げられています。

1989年に開通してから、無事故で運転を続けてきた路線だけに今回の事故は自動運転を推進している人たちにとっては大きなショックを与えているものと思います。

現在の技術

今の自動車に採用されている技術であれば、前面にセンサーが付けて、衝突の可能性を検知したら未然にブレーキをかける技術が一般的ですが、シーサイドラインは鉄道の技術が応用されているようで、車内信号閉塞方式の自動列車制御装置(ATC)と、自動列車運転装置(ATO)が併用されています。

今の技術を応用して新交通システムを作れば、さらに安全なものを作れたものと思いますが、すでに作ってしまった新交通システムの保安設備を大規模に更改するとなると、多額の費用や長期間の運休期間が必要になるため、現実的には難しかったのでしょう。

尾灯と前照灯

ネットで情報を探してみると、尾灯と前照灯は本来の方向に沿って点灯しているということなので、地上から車両に対して、新杉田駅で車両の向きを逆転させる信号はうまく検知できているのではないか?とされています。

とすれば、列車の頭脳はあるべき方向に進もうと思っていたのに、足回りは逆方向に走ってしまったのはなぜか?という問題になります。今後の原因究明後の真因の発表が気になるところです。

復旧期間

もしも無人運転ではなくて運転手が乗車していれば、逆走した瞬間に異変に気がつき事故は防げたのではないかという意見があります。また、人的エラー等での事故であれば、比較的短期間に運転再開の目処が立てられるものと思います。

しかし、自動運転の車両の問題となると、原因がわかったとしても、再発防止策のために設備の更新等が必要になり簡単には運転再開ができません。自動運転が相当に高度な状態にならないと、都市部などの基幹路線では導入は難しいのではないかと思います。

山手線への自動運転導入は見送るべき

現在、JRが山手線に自動運転を導入しようとしていますが、そんなことは即刻やめて、各駅にホームドアなどの安全設備を設置するとか、まずは人間の運転を支援するための安全支援システムを導入するとかして安全に対する相当の自信を付けてから、完全自動運転の検討を再開すべきなのではないかと思います。

【2019/06/04追記】

本日より手動運転で運行が再開されました。自動運転のときと比べて運行本数も限られるので、代行バスの運転も併用するようです。

シーサイドラインの運休期間中は代行バスだけでは輸送力が全く足らずに、通勤、通学などに大きな影響が出ていたので、手動運転とはいえ、まずは運転が再開されて良かったです。

【2019/06/06追記】

他社の対応

東京都の「ゆりかもめ」はシーサイドラインとほぼ同様のシステムを使っているため、事故の発生以降は終端駅での非常停止ボタン近くに監視員を配置するという対策をとっているそうです。

また、日暮里舎人ライナーは試走線で全車両の点検や地上設備の動作記録の確認を7日までに緊急点検するとのことでした。

【2019/06/06追記】

本日のNHKの報道によれば、車両内部にある進行方向を制御する装置につながる回路に断線が見つかったことが分かったそうです。この断線により、進行方向が変わったことが伝わらないままモーターが作動し逆走したと見て詳しく調べています。

ただ、今日は横浜市営地下鉄で人為的なミスによる脱線事故も発生しており、自動運転、手動運転にかかわらず、安全対策の追求が求められます。

【2019/06/10追記】

IT mediaニュースに少し詳しい原因が報じられていました。事故原因が断線ということはNHKの記事の通りです。

駅から車両に対しては進行方向の切り替えを指示。列車の二号車に装置があり、一号車から二号車に信号が伝達され、全車両に指示が出るはずでした。

ところが100本超の回路のうちの一本が断線して、一号車からの指示が伝わらずに全車両のモーターが逆に作動した可能性があるそうです。

【2019/06/16追記】

走行時の記録装置の情報を調べた結果、車両の回路が断線したのは、事故発生から1往復前の幸浦駅と産業振興センター駅の間で発生したと運行会社が国土交通省に報告しています。回路が断線した原因は、結束されていなった配線が長年の運転中に車体に接触したことによりショートした可能性が疑われています。

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