MaaSがもたらす未来

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最近、経済誌などを読んでいると、MaaSに関する記事をよく目にするようになってきました。「Mobility as a Service」の略で「サービスとしてのモビリティ」などと訳されています。EUの官民合同の高度情報交通システム推進組織では、「さまざまな種類の交通手段を需要に応じて利用できる一つのサービスに統合すること」と説明しています。

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乗換案内などのサービスとの違い

従来の移動は出発地点と目的地を決めた後、その間の移動ルートや乗り換え駅などを決めて、あとは交通機関の時刻表に合わせて移動するという形が主体でした。しかし、MaaSではサービスの利用者が自分の移動に適した交通手段の組み合わせを選び、目的地まで継ぎ目なく低コストで移動できるようになることを目標としています。

既にスマホのアプリでは、乗換案内などのアプリもあり、一見、目的地に行くまで特に困ることは無い場面も多いですが、MaaSが発達して、選択肢としてカーシェアリングやライドシェアなど新しい移動サービスも候補に挙がってくるようになってくると今よりもずっと便利な世界がそこにはあるかもしれません。

ヘルシンキでの例

利用者が単に便利になるだけではなく、例えば北欧のフィンランドでは、ヘルシンキ市で環境問題に対処するために渋滞の緩和やマイカーを減らすことを目的にMaaSに取り組んでいます。MaaSで移動の手段が柔軟に選ぶことができるようになれば、マイカーを持つ人の数も減っていき、渋滞も減るのではないかと期待できます。ヘルシンキでは「Whim」というMaaSアプリケーションが配られていて、しかも月額定額制が採られているそうです。一か月に約6万円のWhim Unlimitedを契約すると、公共交通機関とシェア自転車が使い放題になるというのが興味深いです。欧州ではマイカーの保有コストが平均で月7万円になるとのことで、これよりもすこし安い価格を狙って設定された価格です。Whimの利用前のユーザーはは公共交通機関の利用率が50%に満たなかったものが利用後は74%に増えたという効果が出ている一方、マイカーの利用率は半減したそうです。

日本での取り組み

日本での取り組みとしては、2018年11月から実施されている福岡市の例があります。MaaSアプリのマイルートを使って、鉄道、バス、タクシー、フェリー、レンタカー、レンタル自転車などを組み合わせて最適な移動経路を表示するようになっているようです。ただ、乗換案内アプリにレンタカーやレンタル自転車、タクシーなどの選択肢が増えただけのようにも思えるので、本格的に普及させるためにはもう少し「便利」と思わせる何かが必要に思います。

ウィラーの取り組み

先日には高速バス大手のウィラーが8月から始める次世代移動サービスの概要を発表しました。国内観光に向けた計画づくりや移動手段、観光の手配、決済が簡単にできるスマホアプリを配信し、2020年からは生活の足向けに複数の移動手段の料金をまとめて払える定額制を導入するとのことです。

ワンストップ決済

そんなサービスの中でワンストップ決済が注目されているようです。交通機関ごとに財布を取り出して精算するのは面倒なので、確かにワンストップで決済ができるようになれば便利になるでしょう。すでに交通機関の中ではSuica等の交通系電子マネーがシェアを増やしてきましたし、PayPayなどのQRコード決済も身近になってきましたので、さほど大きな技術革新を伴わなくても実現ができそうな気がします。

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