楽天モバイルで「無料サポータープログラム」の募集を開始

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楽天モバイル株式会社は10月1日から携帯キャリア事業としてのサービスを開始しました。最初は有料サービスではなく、「無料サポータープログラム」として5000名を募集します。

楽天モバイルでは設備設置の遅れを総務省から度々注意を受けていたことから、10月
1日のサービス開始が危ぶまれていましたが、人数限定、無料でサービスを開始するというのは落としどころとしては良かったのではないかと思います。

実は楽天モバイルのエンジンとなる基幹網は、エンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブネットワークを利用しています。これは世界初の試みとなるようです。既存の携帯電話会社は過去からの設備もありますので、完全仮想化に突然乗りあえるわけにはいきませんが、新規に参入するベンダーとしては汎用品を利用することができることから設備投資が抑えられて良い選択だったのではないかと思います。

ただ、社内で十分な耐久性試験は実施したとしても、タイミングや乗っかってくるデータの種類や量によっては、ネットワークの遅延や停止を招く原因になるかもしれません。5000人が無料で利用することで更なる耐久性試験になることがポイントだと思います。逆に試験で5000人の人を雇ってテストをすると、とんでもないコストが発生するので、消費者にとっても楽天にとってもお得だったと推測されます。

逆に5000人以上を募集するとローミングを実施しているauへの支払金額が高額になるので、あまり人数を増やすことができない事情があったものと思います。

無料サポータープログラムの提供期間は2020年3月31日までとなっています。遅くともこれまでには楽天としては有料の正式なプランをスタートさせたいと考えているのでしょう。逆に有料の正式プランがこれまでの期間に開始した場合には無料サポータープログラムは終了となりますが、有料プランに切り替え後も2020年3月31日までアンケートなどのモニター調査に協力することで通信料金と同額程度のモニター報酬を支払うこととしています。

無料サポータープログラムの対象者は、東京都23区、大阪市、名古屋市、神戸市に住んでいる満18歳以上の人で、新規の契約またはMNPで転入できる人に限られます。また、サービスを利用することができるスマホの機種がかなり限定されることも気になるところです。

【2020/01/06追記】

楽天は携帯電話の商用サービスを4月に始めることを明らかにしたと報道されています。現在は無料でサービスを提供していますが、具体的な有料サービスの提供時期を明らかにしたのはこれが初めてになります。公的なサービスなので万全を期すとしていますが、昨年12月10日には障害が発生したこともあり、どの程度の品質が確保できるのかは気になるところです。

【2020/01/24追記】

2020/01/23に楽天は無料サポータープログラムの追加募集をしましたが、申し込み開始からわずか11時間で2万人の枠が埋まってしまいました。楽天モバイルとしては徐々に利用者の数を増やしてトランザクション量を増やすことで、設備の充足性やサーバーなどの機器類の負荷耐性を見ていきたいのだと思います。もしも、これだけの試験要員を雇ったら大変な人件費がかかるので、無料サポータープログラムという制度の中で協力してもらうというのは、品質を上げていく上で、面白い作戦なのではないかと思いました。

楽天のMNOは4月に正式にサービス開始とされていますが、有料サービスに耐えうるサービス品質を確保できるのか、今後の動きが気になるところです。

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