フリーミアムとサブスクリプションサービス

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特にサービス提供型ビジネスの中でここ数年、フリーミアムというタイプのサービスが増えています。フリーミアムとは基本的なサービスや製品を無料で提供するとともに、さらに高度な機能や特別な機能は別に料金を課金するようなビジネスモデルです。

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フリーミアムとの親和性

工場などで生産しなければいけない商品でフリーミアム的なサービスを提供しているものはあまり聞きません。しいて言えば、街や店頭で配られている試供品のようなものはフリーミアムに近いかもしれません、どうしても工場で生産するような製品はある一定の製造コストがかかってしまうため、基本部分だけを無料で配ったとしても会社の利益を圧迫してしまうことがフリーミアムに馴染まない要因です。

一方でインターネット上で提供されているサービスやソフトウエア、コンテンツのようなものには、フリーミアムサービスをよく目にします。例えば、AppStoreでアプリが無料で配られていたとしても、高度な機能が必要なときにはアプリ内で追加課金されているサービスをよく目にします。ポケモンGOで孵化装置を買うとき、カーナビアプリで渋滞情報を追加したいときなどです。

ほかにもDropboxもフリーミアムの典型例です。ある一定量までのファイルの保存であれば無料でできますが、その閾値を超えると、有料課金されるようになります。新聞社のサイトも無料の記事を読む分には特に支払いをする必要はありません。しかし、新聞社の意見や論説等、新聞社が付加価値をつけているような記事は有料コンテンツとあっており、これを読むためには月極め等で契約が必要です。

このようなサービスビジネスやコンテンツビジネスは、元々の構築やコンテンツの開発にはコストがかかってしまいますが、サービス提供後はユーザーが増えたとしても追加のコストがかかりにくい構造になっています。また、インターネット独特の要素として、広告を出すことで収入を得ることも可能になります。

無料でサービスを使ってもらう中で、そのサービスの良さに気が付いてもらえれば、有料サービスに移行してもらえる確率も上がります。

フリーミアムの欠点

しかし、フリーミアムには欠点もあります。一つはサービスや商品の価値基準を毀損させてしまうことです。

ずっと昔、大型のコンピューターが表れ始めた当時、OSなどのソフトウエアはコンピューター付属品でした。当時は利用者の間で、ソフトウエアは付属品という価値観が広がっており、業界ではソフトウェアは著作物でもあるし商品としての価値があるということを利用者に認知してもらうまでに随分苦労したと聞きます。

現在、AppStoreなどに行けば、かなり高機能なアプリや便利なアプリであっても無料で配られており驚くことがあります。これだけのソフトウェアが無料という価値観が根付いてしまうと、業界にとっては大きな痛手になると思います。

サブスクリプション

半面、最近になってサブスクリプションサービスも増えてきています。Apple Musicのように音楽が定額で聴き放題になるサービス、HuluやNetflixのように映画やドラマが定額で聞き放題にあるサービス、楽天マガジンのように雑誌類が定額で読み放題になるサービスなど、本当に最近ではサービスの種類が多角化しています。

私自身、最近になって楽天マガジンでいろいろな雑誌を読み放題で読めるようになったのですが、雑誌を1冊買う程度の料金を月額で支払えば、無数の雑誌が読めるようになるので、不思議な感覚になります。雑誌を販売している会社には閲覧数などをパラメーターにしてお金が支払われる仕組みになっていると思いますが、各社にとっては大きな収入源になっているものと思います。

フリーミアムでは無料という感覚を消費者に植え付けてしまいますが、サブスクリプションでは対価を利用者に要求しているので、サービス等に対する価値観を毀損する範囲が限定的だと思います。

サービスや商品の値付けに関しては、ダイナミックプライシングという仕組みも徐々に浸透してきており、平成の時代までと比較して令和の時代には大きな変革が訪れるのではないでしょうか。

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