総務省がMNP乗り換え手数料廃止を検討

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携帯電話会社を乗り換えるときに今まで利用してきた電話番号をそのまま次の携帯電話会社でも利用できるようにする番号継続制度(MNP)は2006年10月に始まりました。このMNPで他の携帯電話会社に乗り換えをするときに元の携帯電話会社は手数料として3000円程度を徴収するのが一般的です。総務省ではこの手数料の存在がMNPでの乗り換えを阻んでいるとして、手数料徴集を禁止する方向で検討をしていることが時事通信で報じられていました。21日の総務省の有識者会議で本件に関する議論が実施されています。

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諸外国における手数料の扱い

諸外国の調査結果によれば米国や英国、フランスなどの主要国では乗り換え時の手数料を徴収しないのが一般的なのだそうです。しかも、大手3社のキャリアだけでもこの手数料収入だけで年間約160億円にも達しているので総務省としては適切な負担とは言いがたいとしています。

MNPの利用状況

このMNPという制度、私自身はときどき利用しているので、広く普及し利用件数も伸びているのかと思っていたのですが、実は2013年度にMNP利用件数が657万件でぴーくになったあと、近年では450万件から500万件で横ばいになってしまっているのだそうです。この2013年度にMNPの件数が伸びた理由は、NTTドコモが初めてiPhoneを導入したことにより、他社からNTTドコモへと乗り換えが相次いだことが背景にあるようです。

2019年10月には解約する際の違約金上限を1000円に引き下げ、携帯電話会社間の乗り換えを促進するようにしましたが、実態としては1000円に引き下げた後も乗り換えは増えていません。

MNPが活用されない理由

MNPの利用が伸びないのは、3000円の手数料が足かせになっているというよりは、「通信料金は今のままでは高いと思っているけれども、MNPと言われてもやり方がよく判らないし、調べてまでして格安SIMに乗り換えることはない」と思っている消費者が多いからなのではないかと思います。

従って、3000円のMNP手数料を無くすだけでは、携帯電話会社間の流動を高める決め手にはならず、格安SIMを提供している会社に乗り換えることのメリットや消費者が抱いている疑問や不安を丁寧に解消していく必要もあるでしょう。

特に格安SIMを提供している会社は大手3キャリアと比較すると小さな会社になり、めったにテレビコマーシャルなどの形で消費者に情報が飛び込んでくることがありません。どちらかというと、自らがお得な情報をインターネットなどを駆使して見つけに行くタイプの消費者のみがよく情報を知っている状況になっています。また、今の格安SIM会社のようにSIMカードを郵送で送り届けて消費者が自分でSIMスロットに挿入、プロファイルをダウンロードするという今のやり方では、やはり躊躇する消費者が多いと思います。

楽天のMNOへの参入でMNPの利用件数がどうなるか、他の3大キャリは通信料金を値下げしなければいけない状況になっていくか否かは、今後経過を見守っていきたい点です。

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