健康保険証のマイナンバーカードとの一体化

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最近になって各自治体でもマイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになることが広報されるようになってきました。令和3年3月からマイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになる予定です。マイナンバーカードであれば医療機関のカードリーダーにカードをかざすだけで保険資格の確認が完了します。

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オンライン資格確認

従来の保険証では医療機関にかかった時点で本当に保険の資格を有しているか否かを即時に確認することができませんでした。例えば、親の健康保険の被扶養者として保険証を持っていた子どもが4月に就職して新しい勤務先の保険証を受け取っていたとしても、間違って昔の保険証を医療機関に提示すれば使うことができてしまっていました。

あとから資格が喪失していることが判った場合は、親の保険者は受診料の返納を求めなければいけませんし、新しい勤務先の保険者は保険対象の手続きをしなければいけなくなり事務効率が非常に悪化します。また、無資格の人が昔の保険証で受診してしまい、あとから資格なしが発覚してその人に医療機関が請求しても支払われなかった場合、医療機関の持ち出しになってしまいます。

マイナンバーカードを保険証として利用してその場で保険資格の有無が判るようになれば、このような非効率な事務を一掃することができます。

特定健診結果や薬の情報を共有

また、患者の同意を得たうえで、患者の特定健診の結果(令和3年3月から)や今までに処方された薬のデータ(令和3年10月から)を医師が端末で確認できるようになります。

カードリーダーの設置

医療機関等に設置するカードリーダーには単にカード情報を読み取るだけではなく、所有者の顔写真のデータとカメラで照合し本人かどうかを認証する機能が付いています。他人の保険証を使って診療を受ける違反を見つけるためです。

しかし、残念なことにカードリーダーを導入するか否かは各医療機関や薬局が任意で決めるようになっています。厚生労働省の公式サイトによる発表を見ると、病院では3台までを無償提供、薬局や診療所などでは1台を無償提供するとしています。しかし、ネットワークの導入なども必要なためでしょうか。全機関で最初からリーダーが設置されるわけではないようです。

仕組みがスタートする令和3年3月の時点では導入率は約6割となる予定です。カードリーダーが導入されていない医療機関や薬局では従来通りに保険証で手続きをしなければいけません。マイナンバーカードの券面には特に保険資格を証明するための情報が記載されておらず、中のICチップにしか記録されていないためです。

今までマイナンバーカードを持つメリットがあまりないのでマイナンバーカードを持っていないという人も多かったのですが、保険証として利用できるようになれば利用できる機会が増えるので普及に弾みがつくのではないでしょうか。

【2021年4月6日追記】

サービス開始時期は延期

残念ながら2021年3月に予定されていた本格的なサービス開始は延伸されることが発表されました。データにミスが混入していて、このままでは円滑にサービスを提供できないと判断されたようです。

マイナンバーカードを保険証として使うための申し込み
医療費控除を受けるために毎年、確定申告を実施しています。例年は家族に税務署へ行ってもらっているのですが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のために税務署は予約制となっていて、確定申告期間も例年より延長することが決まっています。税務署もでき...

残念ですが個人情報を扱っているので万全を期してサービスを開始した方が良いことは間違えありません。

【2022/07/11追記】

オンライン資格確認の導入進まず

経済財政運営と政策の基本方針(骨太方針2022)で2023年4月からの医療機関、薬局への資格確認等システム導入の原則義務化が明記されるなど、オンライン資格確認への注目度は高まっていますが、残念ながら最近行った医療機関ではどこもオンライン資格確認には対応していませんでした。

行ったのは小規模のクリニック、大規模な大学病院、中規模な病院の3種類ですが、マイナンバーカードを保険証代わりに利用することはできませんでした。

m3.comの会員への調査によれば、開業医、勤務医、歯科医師、薬剤師の大半が反対または義務化は賛成だが時期は反対といった結果になっていました。

コスト面やITリテラシーの面がハードルになっているようです。コスト面はともかく、ITリテラシーに関しては、医療機関の周辺に住んでいるITに詳しい人をボランティアで登録して、デジタル化を推進する一躍を担ってもらう等、何らかの対策が合わせて必要だと思いました。

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