鉄道における回数券の廃止の流れ

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新幹線の回数券が徐々に廃止されていることが報道されていました、JR東海では6枚つづりの新幹線回数券が一部の区間で販売終了となります。今回の発売終了にともなってJR東海の新幹線に関するグリーン車の回数券はすべてがなくなることになります。一方で普通車指定席、普通車自由席の回数券も一部の区間で廃止になりました。

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新幹線回数券の代替(JR東海)

東海ではチケットレスサービスの「エクスプレス予約」や「スマートEX」の活用を呼び掛けています。このサービスを使うと新幹線の駅間の料金は切符や回数券よりも安くなりますが、切符や回数券はたとえば東京駅は「東京都区内」の駅まで行くことが出来たので、東京駅からの移動分は別途の料金を払わなければいけません。

JR西日本

JR西日本ではICOCAのエリア内での普通回数乗車券が2021年9月30日で発売終了となります。これにかわって、ICOCAポイントサービスの還元率を10%から15%に拡大することになりました。

このように回数券は徐々になくなる方向にあるようです。駅の改札口もICカードにしか対応しないタイプのものも増えてきているので、いつまでも紙の回数券に力を入れることができなくなった事情もあるのでしょうか。また、紙の回数券は金券ショップでばら売りされるような売り方もされています。JRとしてはこれも防いでJRが発売する正規の運賃で乗車してもらいたかったのかもしれません。

JR東日本

IC乗車券「Suica」の入金残額で新幹線に乗れるサービス「タッチでGo!新幹線」のエリアが2021年春に拡大されることにともなって、6枚つづりの「新幹線回数券」などを廃止することが発表されています。

●2021年3月31日に発売終了
・新幹線Wきっぷ(2枚、1か月)
・定期券用新幹線自由席回数券(6枚、3か月)
・新幹線料金回数券(4枚、1か月)
・えちご料金回数券(新幹線用:新潟~長岡、4枚、1か月)

●2021年6月30日に発売終了
・新幹線回数券(普通車)(6枚、3か月)
・こまち4枚回数券(普通車)(4枚、3か月)

購入済みの切符はその切符の有効期限までは使うことが出来ます。

金券屋での取り扱い

東京ディズニーリゾートでもチケットにバーコードを付与して、このバーコードで入場者の管理を行うようにしたことから、金券屋では未使用のチケットか使用済みのチケットかを見分けることができなくなり、金券屋で扱われないようになりました。

また、サラリーマンの方にも事情に変化が出ています。出張代を実費精算する会社が増えていることです。以前であれば、東京から新大阪まで移動するときには会社からはJRの正規運賃分が支給されていたので、金券屋で安くチケットを買えば差額がお小遣いになるというメリットがありましたが、現在は本当に払った費用のみが支給されるように変わってきています。あえて金券屋で回数券を買うよりも手元のスマホでチケットレスで切符を買った方が時間を有効に使えます。

ただ、JR東海などにおいてはすべての区間で新幹線回数券がなくなったわけではないので、金券屋では勘違いをしないでと呼び掛けているところもあります。

テレワークと回数券

最近、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って各企業ではテレワークが推奨されるようになっています。また会社によっては通勤費の制度を改めて、定期券代を支給するのではなく、実際に通勤した日の実費のみを支払う方式に見直しているところもあります。

少し計算してみたのですが、私が利用している区間では、1ヶ月に11日以上往復するのであれば定期券の方が安くて、10日以下ならば個々にSuicaで精算した方が安いという結論になりました。これから先、このような会社が増えて、定期券自体の利用客も減っていくと想定されます。

ICカード乗車券で利用できる回数券ができると便利だと思うのですが、実現は難しいのでしょうか。

【2021年6月11日追記】

金券屋の今後

日経ビジネスオンラインの記事の中に「JR「回数券」廃止、チケットショップが断固反対」という記事がありました。日本チケット商協同組合理事長の方が書いた記事です。回数券は金券屋の売り上げの3割から4割を占めるため、もしも回数券がなくなってしまったら経営を継続することが難しくなる業者もあるかもしれないこと、また、eチケットサービスによる割引を受けられないお客さんを切り捨てることになることが書かれていました。

ただ、これからはデジタル化の流れはどうしても止めることはできません。チケットレスが当たり前になってきています。印鑑屋さんが「ハンコは大事」と言っても、電子署名で原本性を保証する流れは止められないと思います。

いかに多くの人がデジタルの仕組みを利用できるようにするか、その改善が進むにつれて、金券屋のビジネスモデルも時代にあわせて変えていかなければないかと思います。

 

 

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