相続税の納付から銀行の手続きまで自分で実施

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昨年10月に私が幼かったころに母と別れた父が息を引き取りました。継母が一通り葬儀の手配などをしていましたが、当日の火葬場への付き添い等でバタバタしました。その後、何ヶ月かは相続のことなど意識をしていなかったのですが、妻が「相続の手続きは大丈夫なのか?」と言い始め調べてみると、父と母が別れていようがどうしようが、子どもに相続権が発生し、しかも息を引き取ってから10ヶ月以内に相続税を払わなければいけないことが判りました。

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相続税の納付期限まで2ヶ月

もう相続税の納付期限まで2ヶ月ほどしかありません。まずは相続するものとして遺産がいくら残っているかを調べました。幸いなことに不動産はなくて主として継母が受取人となっている生命保険金と銀行にある預貯金のみのようです。これならば勉強も兼ねて税理士に頼まないで自分で相続税の納付手続きや銀行への手続きを実施てみることにしました。

税理士に頼む場合の注意点

税理士の中には相続に詳しい人と詳しくない人がいるようで、週間現代では相続に詳しくない税理士に用心という記事が掲載されていました。多くの税理士は約8万人、なかには相続専門の人もいますが、ほとんどの税理士は年に一回、相続を扱うかどうか、多くは会社の決算や法人税申告をメインの業務にしていると紹介されていました。

相続税の要否判定

相続税を納付する必要があるか否かの判定です。国税庁の公式サイトにある要否判定コーナーが便利です。

【相続税の申告要否判定コーナー】-申告要否判定コーナートップ

こちらに相続するものを一つずつ入力していくと、相続税の納付が必要がどうかを判定しくれます。残念ながら相続税の納付要と判定されてしまいました。

銀行で残高証明書と経過利息証明書を発行

三菱UFJ銀行に預貯金があったので、三菱UFJ銀行に連絡しました。こちらの情報が参考になります。

相続のお手続きのご案内 | 三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行では、専門センターの「相続オフィス」がお客さまの相続手続をサポートします。本ページでは三菱UFJ銀行での相続手続についてご案内します。

通帳を手元において、相続オフィスというところに連絡すると、口座の確認などのあと、必要な書類を一式送ってきてくれます。

手続きには2段階あります。1段階目は相続税の納付に必要な残高証明書と経過利息証明書の発行です。残高証明書は被相続人が亡くなった日の段階で口座にいくらあったかを証明する書類です。経過利息証明書はその時点で利子がいくら付いていたかを証明する書類です。

2段階目は凍結された口座を解約して遺産を相続人へ分割する段階です。まずは、相続税を払うことが優先なので、2段階目の話しは後回しにして1段階目の書類を発行してもらい郵送してもらいました。

保険会社で支払証明書を発行

メットライフ生命保険に連絡をして保険金の支払証明書を発行してもらいました。こちらは継母が電話で話せば手続きをしてくれました。保険金の受取人の住所あてに発送してくれます。

戸籍謄本の準備

父の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を準備しました。全部で3自治体、うち2自治体では改製前と改製後があったので、全部で戸籍謄本が5通になってしまいました。一番直近の戸籍謄本を入手して、そのひとつ前、さらにそのひとつ前といった具合に過去に遡りながら取り寄せていきます。近くの自治体は自分で役所に取りに行き、遠くの役所は郵送で書類を送って郵送してもらいました。

相続人は継母と私の二人で確定です。

継母の直近の戸籍謄本は父の戸籍謄本と一緒で大丈夫ですが、私の直近の戸籍謄本は別に準備しました。

法務省ですでに取り組んでいるようですが、戸籍がマイナンバーで紐づけられれば、紙の書類を取り寄せるというアナログな作業がなくなるので、早くシステムが整備されることを願っています。

遺産分割協議書の準備

三菱UFJ銀行の例を参考にしながら、遺産分割協議書を作成しました。

遺産分割協議書とは?作成の流れや手続きを解説 | 三菱UFJ銀行
遺産分割協議を行った後は、その合意内容を記載した遺産分割協議書を作成しておくと、後々の手続きに便利です。遺産分割協議書を作成する流れや記載する内容のほか、遺産分割協議書の提出先などについて解説します。

継母と私で実印を押して完成です。遺産分割協議書の実印を証明するために、それぞれの印鑑登録証明書も準備しました。自分の分の印鑑登録証明書は近くのコンビニでマイナンバーカードで簡単に取得できるのですが、継母の分は印鑑カードを持って区役所まで行ってきました。印鑑カードさえ持っていれば、代理人を証明することなく印鑑登録証明書が発行できたことに驚きました。

相続税の申告書の作成

近所の税務署に行って相続税の申告書等関係書類一式を貰ってきました。申告書の厚さに驚きますが、普通の人が該当するページはこの中のいくつかだけです。まずは申告書の控えに、鉛筆で必要事項を記入していきます。頭のページから書きたくなるのですが、なぜか相続税の申告書は頭のページから書き始めることはできません。後ろについている各種計算書を完成させてから頭の資料を書くような流れになります。

申請書の記入順

不思議だったのは、全体の納税額を決めるところから、個々の相続人に納税額を配分するところの仕組みです。基本的には全体のうち何割の相続を受けたかの割合で案分するのですが、この案分率が小数点以下2桁目で調整してよいことになっています。継母の分は配偶者控除で納税額がゼロになるので、この調整によって納税額が変わってきます。税理士にやってもらうと、ここは適切に調整を行ってくれるのでしょう。

e-Taxで申請

マイナンバーカードをせっかく持っているので、e-Taxで申請してみました。国税庁で公開しているe-TaxソフトのWindows版やJLISの公的個人認証のソフトなどを指定されている順番でインストールしていきました。e-Taxのソフトは自分が納税したい税目分だけを選んでインストールしました。このe-Taxというソフト、起動して記入しようとしたところ、紙でもらってきた書類とまったく同じ書籍になっていました。基本的に鉛筆で記入した控えに従って入力していくことができます。

なぜか、最初に作ったはずの「利用者ファイル」が再起動後に「ない」とエラーが出ることがありました。対処法はこちらです。

国税電子申告e-Taxソフトで利用者ファイルがないときの対策
国税電子申告e-TaxのWindows版ソフトで、マイナンバーカードで認証をして利用者ファイルを新規作成して、いくつかの申告書を作成しました。その後、e-Taxソフトを終了して、また別のタイミングでe-Taxソフトを起動したのですが、なぜか...

一通り申告書に入力して、添付書類をPDF化しe-Taxに登録、申請を行いました。申請にあたっては私のマイナンバーカードを使って電子署名を付与し送信しました。

さらに「納付情報登録依頼」も送信して、メッセージボックスに届いた情報をもとに、銀行スマホアプリでPay-easyを使って、相続税の納付までを終わらせてしまいました。

e-Taxによる国税電子申告と電子納税が完了
7月末までに納税しなければいけない税金があり、税務署で入手した税金の計算の仕方の説明書やe-Taxの説明書を元に、国税電子申告と電子納税を実施しました。通常であれば税理士さんの業務だと思うのですが、良い勉強になりそうなのと、e-Taxは確定...

あえなくe-Taxでの申告は撃沈

翌日、税務署から電話をいただき、書式の記入上の誤りを数点指摘していただきました。また、大きな話として、相続税の場合は、全相続人がそれぞれの電子署名を付けて、それぞれが申告書などを送信しなければいけないそうです。

継母はマイナンバーカードの暗証番号や署名用のコードなどは忘れてしまっていたので、e-Taxで送信することはあきらめました。

申告書と添付書類を郵送

申告書はボールペンで清書、印鑑登録証明書は原本、その他の添付書類はコピーを準備、本人の証明用に継母と私の分のマイナンバーカードのコピーを準備して封筒に入れ、近所の郵便局から管轄の税務署あてに簡易書留で送りました。710円でした。夕方に郵便局に持ち込んだのですが、翌々日には税務署に届くそうです。

凍結された口座の解約とお金の払い出し

三菱UFJ銀行の窓口を事前に予約して、相続届と必要な書類を提出してきました。銀行の窓口では書類に不備がないか一通りのチェックをしてくれましたが、さらに詳しい確認は相続オフィスで実施したうえで問題がなければ二週間ほどで手続きが完了するようです。

ここまでの感想

まだ税務申告も銀行の手続きも完全には終わっていません。これからもまた書類の訂正等を求められる可能性もあります。一生のうちにそう何回もある手続きではありませんし、平日にやらなければいけないことも多いので、たとえ何十万円かがかかっても、税理士等に依頼したほうが良いと思いました。

今後、マイナンバーを軸に戸籍、印鑑登録証明、住民票、銀行口座等が紐づく仕組みができれば、もっと手続きが簡便になることは間違えありません。早く仕組みが整備されることを願っています。

【2022/08/02追記】

銀行に振り込み

相続した金額の一部が自分の口座に振り込まれました。相続届の内容確認が終わり、一つの支店が振り込み手続きをしてくれたようです。

税務署の対応

税務署の方には書類が届いたところまで確認をしましたが、その後は連絡がありません。ホームページの指示に従い、内部の事務処理センターのような場所に送ったので、書類の審査は後日実施されるのかもしれません。

【2022/08/09追記】

税務署からは音沙汰なし

1週間ほど経ちますが、税務署からは音沙汰がありません。このまま受理されるのか、はたまた問い合わせがあるのかは全く分かりません。

銀行の方は手続きを進めてくれて、口座の解約や振り込みまで従速に対応いただきました。

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