日立製作所のジョブ型人事に対する違和感

NHKの報道記事の中に「戸惑いをどう払拭? ジョブ型雇用導入の日立 その舞台裏に迫る」というものがありました。ジョブ型人事制度を進めている日立製作所を取材したものです。国内社員3万人のうち9500人の管理職からジョブ型への移行に着手し、ことし7月から非管理職のジョブ型への移行を進めています。

ジョブ型の制度を採り入れる目的の一つはデジタル人材の強化で、会社では2024年度までの3年間で国内ではデジタル人材を1万人増やすことを目標としています。中畑英信専務は、「ものづくり中心のときはいい製品が作れていればお客様に買っていただけるが、これからはプロアクティブに自分から動いていく人材が必要になってくる」と語っています。

ただ、この辺まで読んだところで、頭の中がモヤモヤとしてきました。3万人の全人材がデジタル化されて、プロアクティブに自分から動いていく人材になるようなニュアンスで記事が記載されていますが、実際にはそんなことは無いはずです。

当然、お客様が持っている事業課題をプロアクティブにお客様と解決するためのアイディアを出し新しい未来を創造する人材は間違えなく必要です。そのアイディアに基づいて、デジタル的な最先端の技術を駆使して人々があっと驚くSoE的な仕組みを提供するような人材も必要でしょう。さらには、そのような先進的な仕組みの背景で、しっかりとデータを守って各種事務処理を実施するSoR的なシステムも必要です。

ここには。お客様と共創ができるエンジニア、デジタル技術を駆使できるエンジニア、レガシーな仕組みでしっかりとデータを守るエンジニア、いろいろなジョブがあってしかるべきです。もちろん、レガシーな仕組みの部分にも、サービスナウのような仕組み、ローコードエンジニアリングといった新たな取り組みは必要なので常に新たな取り組みをする意欲は大事です。

社員の流出につながるのではないか?というNHK記者からの質問に対して、中畑専務は、「日立がやらなければいけないのは退職する人を引き止めるということではない」と言い切っているのですが、記事全体の文脈から見るとプロアクティブに自分から動けるデジタル人材は切り捨てるようにも読み取れたので、かなり違和感を感じる記事ではありました。

記事の先頭にあった「学び直しを」という表現も違うと思います。全社員の中にはその方の高い能力や資質を活かして本当に学び直しを求める人もいるとは思いますが、レガシーなジョブに携わってもらっているエンジニアにローコードのソリューションを学んでもらう等、今の知識は大事にして新たなスキルも学んでもらう社員の方が大多数なのではないでしょうか。

文字数の制限などから本当に日立製作所が考えているジョブ型人事制度がここでは言い尽くせていないのではないかと思います。

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