富士通が66年間に渡るメインフレームの製造・販売事業から撤退

富士通が2月にメインフレームコンピューターの製造・販売から2030年度に完全撤退することを発表しました。66年間にわたって続けてきた事業が終了することになります。

富士通メインフレームGSシリーズ

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メインフレームコンピューターとは

今となってはメインフレームコンピューターという名前はあまり聞かなくなりましたが、20年くらい以上前は、大きな企業が基幹系システムなどを構築する場合は、このメインフレームコンピューターが利用される機会が多かったです。大型汎用機とも呼ばれていました。各社独自のコンピューターアーキテクチャを採用していたため、ハード⇒OS⇒ミドルウェアはその会社が作った専用のものが用いられていました。例えば、富士通であればDBMSはSymfoWareという製品が展開されていました。

現在のようにDBMSのOracleをHPのサーバーやDellのサーバーなどで動かすということはできませんでした。逆に富士通のメインフレームであればハードからミドルウェアまで一貫して保証してくれていたので、利用者側がトラブル発生時にたらい回しにされることは少なく安心して使うことができました。外資系メーカーのように本国のサポートに確認をとるようなこともなく、日本国内で完結してくれていたのも頼もしかったと思います。

ガートナーの2020年メインフレームの世界売上高シェア調査によれば、IBMが93.4%、富士通は4.7%にとどまっています。

日立製作所は2017年に筐体開発から撤退を発表

しかし、UNIXサーバーやIAサーバー、いわゆるオープンシステムの性能向上に伴いシェアが高まっていくと、メインフレームの市場は失われていきました。すでに2017年の時点で販売中の大型メインフレーム「AP8800E」を最後に筐体の開発を中止、AP8800Eの後継機は日本IBMからハード提供を受けて2018年度中に販売を始めることを発表していました。日立は自社のOS(VOS3)については自社開発を続けるとしていました。

NECは「ACOSシリーズ」継続宣言

一方で日本電気(NEC)のメインフレーム、ACOSシリーズはこちらで「継続宣言」をしています。計画が変更されなければ、日本国内では日本電気のみがメインフレームコンピューターの製造・販売を続ける形になります。

ACOSシリーズ継続宣言: ACOSシリーズ | NEC
ACOSシリーズを今後も安心してご利用いただくためにお客様へ継続開発をお約束するページです。NECは、今後も安心して「ACOSシリーズ」をご利用いただけるよう、「プラットフォームの継続的強化」、「お客様資産の価値拡大」、「安心サポート」をお客様にご提供し続けます。

少なくともロードマップには2035年度までのモデルの構想が書かれていますが、図の下に「※本内容は将来的に保証するものではなく、予告なく変更する場合があります」と注意書きされているのが目に留まります。

今後のメインフレームコンピューター

IBMのメインフレームの新製品、IBM z16の発表会の席上で、「多くの企業でITインフラのモダナイゼーションが求められているが、IBMでは基幹とDXを連携・統合した形で捉えており、メインフレームはレガシーだから必要ないとか、システムを全てクラウド化すべきだとは考えていない」と説明しています。今後もメインフレームで構築されたシステムとクラウドで構築されたシステムが連携して価値を提供するという考え方です。

一方でクラウドの方も注目を集めているのは間違えありません。2010年代からクラウドが当たり前に使われるようになってきました。当初のクラウドは重要な基幹系システムを構築するためには少々不安な面もありましたが、その後の性能向上や機能向上に伴い、オンプレミスからクラウドへ移行するシステムも増えています。今後もクラウドの性能向上や信頼性向上が進んでいけば、今まではメインフレームが得意としていたミッションクリティカルな領域でもクラウドが台頭してくる日が来るのかもしれません。

今までも、集中か分散か、オンプレかASP(クラウド)か等、色々な技術の進化を受けて、高度化しながら行ったり来たりしています。すべてが未来永劫、クラウドに収れんしていくということはなく、技術の潮流を見ながら、システムの特性を見据え最適な解を選んでいくことが大事になりそうです。

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