知床観光船の引き上げと日刊ゲンダイDIGITALの表層的な批判記事

日刊ゲンダイDIGITALに「知床観光船“引き揚げ失敗”のお粗末 海上保安本部に聞いた4つの疑問」という記事が掲載されていました。

一旦、引き上げた船体を曳航中に海底に再度落下させてしまったトラブルに対し非難する内容になっています。

100mを超える深さから船体を引き揚げて、知床半島の沿岸で安全なところまで曳航することの難しさは、素人が考えても想像できるようなことだと思いますが、なぜ、この記者は非難する記事を書いたのでしょう。また、編集部ではなぜこの記事を公開することを許したのでしょう

記事を読むと、

  • 「午前8時から午前10時のどこかで落下した」というのはズサンな管理体制
  • 再引き上げ費用はだれが負担するのか(今回の契約では引き揚げから陸揚げまでの請負契約なので業者負担と国は認識)
  • なぜ最初からより強さのあるスリングを利用しなかったのか

といったことが指摘されています。

取材の内容も表面的で深みがありません。スリングに対する指摘も、今回の作業目的から考えて明らかに強度不足のものを使っているのであれば批判する意味もあると思いますが、そこまでの取材は行っておらず、一般的な報道の内容から記事をおこしているように見えます。

危険な作業の遂行に関して、このような足を引っ張る記事は、難しいプロジェクトで危険なことにチャレンジする意欲を衰退させると思います。ただでさえ、日本人は安全確実な方向に流れがちで、リスクが高いものを避けがちな思考に陥りがちなので、むしろ今回の引き揚げ作業が完遂された時点で、称賛すべきチャレンジだったのではないかと思います。

もし、非難するのであれば、すでに発生したトラブルに対して有効な再発防止策をとることなく、同じ事象が再発してしまったときなど、明らかに予測されたことに対する回避策がとられていなかった場合だと思います。

ツイートを確認してみると、「サルベージ会社は金はいらないと言うべきではないか」という記事に同調する意見のほか、「引き上げに成功しているし何か問題はあるのか。お粗末なのはこの記事です」という記事に対する批判等、いろいろな反応がありました。

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