宇都宮の次世代路面電車(LRT)が試運転中に脱線

宇都宮市で2023年夏の営業運転を目指して試験走行中だった次世代路面電車(LRT:ライト レール トランジット)が19日の午前0時半に脱線し、近くの歩道に乗り上げました。

現場はLRTの宇都宮駅東口停留所付近でカープしている場所です。試運転は11月17日からまだ始まったばかりです。

宇都宮LRT

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宇都宮ライトレールの車両について

車両は2017年11月から2018年2月にかけて行われた公募型プロポーザルの結果、新潟トランシスという会社が車両設計、製造を実施することになりました。

新潟トランシス株式会社は鉄道車両、除雪機械、産業用車両などの製造、販売を行なっている、IHIグループの企業です。特に気動車の製造では全国シェアの8割を占めているということですので、実績のある企業です。

超低底型のライトレール車両については、ドイツのボンバルティア トランスポーテンション社の技術提供を受けてライセンス生産し、すでに全国で6ヶ所の路面電車事業者に供給しています。

  • 宇都宮ライトレール
  • 万葉線
  • 富山ライトレール
  • 富山地方鉄道
  • 福井鉄道
  • えちぜん鉄道
  • 岡山電気軌道
  • 熊本市交通局

試運転の状況

最初は時速約5Kmという人が歩く程度のゆっくりとしたスピードで運転して、架線柱や停留場などに接触しないことを確認していました。

18日の試運転では更にスピードを上げて約15Kmまで引き上げました。18日の試運転の模様はこちらです。

21日以降はブレーキなどの走行性能試験に移る予定だったので、19日はスピードは上げるものの、ごく基本的な試運転を実施していたのだと思われます。(関係者からの聞き取りでは、分岐付近から時速13Kmで走行していたということです)

なお、最高時速は40Kmまで出る設計です。

事故の状況

LRTの車両はカーブを曲がりきれずに、2両が軌道を外れて歩道に乗り上げる形になりました。先頭車両(A車)の四輪と中間車両(C車)の後方二輪が脱線しています。この事故で先頭部と側面、パンタグラフが破損したほか、地上変圧器も破損、道路とLRTの軌道を隔てるためのポール(車止め:ポラード3本)が倒れました。

車両には運転手ら15人の人と、道路には試運転の様子を見たかった鉄道ファンなどがいましたが、怪我人はいませんでした。人が少ない深夜に試運転を実施していたことが功を奏したのでしょう。

宇都宮ライトレールの概要

LRTは宇都宮市と栃木県芳賀町を結びます。優先整備区間は約15Kmで44分をかけて結ぶ計画です。

宇都宮LRT

宇都宮市公式サイトから引用

今後、事故調査を通じて、詳細な事故原因について発表があるのではないかと思います。

【2022年11月22日追記】

宇都宮市長やライトレール株式会社の役員らが記者会見で陳謝

11月21日に宇都宮市長やライトレール株式会社の関係者が臨時の記者会見を開き、試運転時の事故に関して陳謝したことが報道されていました。

ただ、本番運転時にこのような事故が発生しないように、試運転をしていたわけですし、万が一の事故があった場合も大きな被害が発生しないように深夜に試運転をしていました。しかも、初日は速度を落として運転し徐々に速度を上げながら検証するという形をとっていて、その慎重さには何の問題もないように思います。陳謝をするというのは少しやりすぎな印象も受けました。

まずは原因の究明を進めてもらい、再発防止策を立てていくことが急務だと思います。

本来通らないルートを走行?

NHKの報道によると、当時は緊急事態を想定して本来は通らないルートをそれまでのテストよりもスピードを出して走行した結果、脱線していたことが判ったということです。具体的には事故で片方のレールが何らかの事情で使用できない緊急事態を想定して、本来は通らないルートで車両を停留場へ戻すテストをしていたとのことです。

ただ、これ自体、緊急時には想定された運用形態であるため、特に変な試運転をしたということではないと思います。

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