NHKのロッチと子羊は哲学をやさしく解説してくれて面白い

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NHKで放送されているロッチと子羊という番組が面白いです。普段は馴染みがなく、なんか面倒くさく感じてしまう哲学を身近なものにしてくれる番組です。

ロッチと子羊

コカドケンタロウさんと中岡創一さんのお笑いコンビのロッチが悩める子羊さんから悩み事を聞き出し、途中で山口大学教授の小川仁志さんが著名な哲学者の言葉などを判りやすく解説しながら、子羊さんの悩みを解消させていくという構成になっています。

12月1日の放送回では、新大久保ので働く人の悩みということで、「もしその方のお母さんがやがて亡くなってしまったら自分のいきがいが無くなってしまう」という内容が放送されました。ここで紹介されたのが、ニーチェです。

ニーチェと言えば、1970年代に放映された野坂昭如さんのテレビコマーシャルが真っ先に思い浮かびます。

「ソ・ソ・ソクラテスかプラトンか、二・二・ニーチェかサルトルか、みんな悩んで大きくなった」という歌詞が印象的でした。

このコマーシャルでニーチェが哲学者だということは何となく判っていたのですが、どんな哲学なのかは全く知りませんでした。

ここで紹介されたのが、「漂白」という言葉です。所詮、ひとは漂流しているようなものなのだから、人にとってどうしようもない将来の人の死を心配して、あれこれ悩んでも仕方がないので、今できる良いことをたくさんしようという内容でした。

多分、このテレビを見て判ったようなつもりになったとしても、実はニーチェの哲学のほとんどは判っていないのだとは思いますが、このように哲学の入口の部分を知っておくことで、もう少し詳しく学んでみる機会がやってきたときに抵抗なく入ることができるので、ロッチと子羊のようなテレビ番組は価値があるのではないかと思いました。

数か月前の放送回ですが、九鬼周造さんの「いき」の構造という書籍からの引用も参考になりました。何が「粋」で、何が「野暮」なのか考えさせられるきっかけにもなりました。

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