「失敗学のすすめ」を読みました

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東京大学教授の畑村洋太郎 さんが執筆された「失敗学のすすめ」という本を読みました。

ハインリッヒの法則では、一つの大きな事故の裏側には29件の軽微な事故があり、さらにその裏側には300件のヒヤリハットがあるとしています。

失敗も同様に、大きな失敗の裏側には、軽微な失敗やヒヤリハットがあります。このヒヤリハットのうちから原因を分析して対策をとっておけば、大きな失敗を防ぐことができます。

しかし、失敗の情報は隠される傾向にある上、たとえ伝達されたとしても、途中で介在した人の利害関係によって情報が歪んでしまうこともあります。従って、真の原因を共有できるような文化を醸成することが大事です。

また、本当は組織文化に大きな問題があったとしても、個人の問題として単純化されて処理されることも多く、失敗の背景を正しく紐解いていくことの重要性をこの本では解いています。

また、書籍の中では、たくさんの失敗の事例が紹介されていました。

タコマ橋の崩壊
北陸トンネルの火災事故
雪印集団食中毒事件
日比谷線脱線衝突事故

また、「ここより下には家を建てるな」という石碑とその下に建つ住居が一緒に写っている写真も掲載されていました。2004年の第19刷を読んでいたので、2011年の東日本大震災よりも7年前ということになります。一度経験した失敗がある期間で忘れられやすいということに警鐘を鳴らしていました。

ほかにも、失敗のメカニズムに関して、共感できる話しが数多く紹介されています。失敗を通して、建設的にこれを役に立てていくような文化を組織の中に根付かせていければと思います。

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