短い列に移動すると裏目に出るという研究結果

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ハーバードビジネススクールの研究チームが、列の短い方に並び直すと、結局は逆効果になるという研究結果をまとめたのだそうです。自分が列の最後にいるという状況にある時、この裏目に出る判断をしてしまいがちになる人間の思考特性があるとのことです。列の最後に並んでいるときは、そうでない場合と比較して四倍の確率で隣の列の方が良いかもしれないと考えてしまいます。しかし、それは裏目に出て、結局レジ打ちが終わるのは、自分の方が元の列に並んでいたよりも遅くなる確率が高いとのことです。

自分の後ろに人が並んでいる時には、その人に順番を譲るような形になるので、最後に並んでいる時と、そうでないときとで、意思決定に差が生じるのでしょう。

ただ、スーパーのレジではレジ打ちの店員さんが明らかに遅い場合や前のお客さんが明らかにカゴの中の商品が多い等の理由がある場合には、後ろにお客さんが並んでいようが並んでいまいが違う列に並び直した方が良いように思います。この辺の冷静な分析は大事だと思うのですが、記事ではそこまで言及していませんでした。

例えば二車線以上の道路で渋滞にはまっているとき、隣の車線の方が車が早く動いているような気がして、つい車線変更をしたくなります。これもスーパーのレジ待ちと同じように裏目に出てしまうことが多いのではないかと思います。特に渋滞学などの書籍で明らかになったように、ついつい追い越し車線に行った方が早く進めるような気がしますが、実は走行車線を我慢して進んだ方が結果としては早く渋滞を抜けられとしています。

たしかに高速道路などで、少しでも早く先に行こうと車線変更を繰り返している車は苦労をしている割にはそんなに先にいけない場面を見ることはとても多いです。

このような意思決定の仕組みについては、単純に渋滞を早く抜けられるかどうかという問題以外に、劣悪なポジションにある会社の社長がどんな意思決定をしやすいか等、応用できる範囲が広いのではないでしょうか。面白い研究だと思います。

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