Appleが再定義したキャッシュレスの形(Apple Card)

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アップル社が3月25日に実施した発表イベントで取り上げたのがApple Cardです。チタン製のクレジットカードを手に入れることができるのですが、クレジットカードに本来はあるはずの16桁のカード番号や3桁もしくは4桁のセキュリティコード(CVV)がありません。

カードの表面にあるのはEMVと呼ばれる共通規格のICチップとレーザー加工された名前、そしてマスターカードとAppleのロゴのみです。自分でサインをするための署名欄すらありません。Appleの製品はシンプルを売りにしているところがありますが、このカード一枚をとっても、そのコンセプトを貫いていると思います。

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決済のたびにコードは動的に生成

カード番号やセキュリティコードが印字されていなくても使えるその理由は、これらの番号に相当するもの(トークン)がiOSのWalletアプリによって動的に発行する仕組みになっているからです。以前のクレジットカードであればカード決済をした際や落とした際に、クレジットカードの情報を盗まれて、悪用される恐れがありましたが、今度は目で見ることができませんのでセキュリティがより高くなります。

日本クレジットカード協会の統計によると不正利用被害額はここ数年で2倍以上に膨らんでいるということですので、今回のApple Cardのように技術で防いで行く取り組みは間違えなく必要な状況になっています。

しかも決済の際に生成されるコードは毎回違うコードとなるため、たとえ、ある時点のコードが電子的に盗まれたとしても悪用することは困難になります。さらには、今までのクレジットカードであれば、2年から5年に一回実施されていたカードの交換も必要なくなります。したがって、カードそのものにチタンのような素材を使っても無駄になりにくいメリットがあります。

年会費は無料

また、アップルとゴールドマンサックスによって発行されるApple Cardでは年会費や海外決済手数料などもかからないほか、決済のたびに利用店名や場所を特定することでラベルでの分類を可能にするほか、飲食、ショッピング、娯楽といったカテゴリーでの分類もしてくれます。

Apple Payを介した一般的な買い物の場合には、デイリーキャッシュは2%、Apple製品を購入した際は3%、Apple payを介さずに物理的なカードで買い物をした場合は1%のキャッシュバッグを受けることができます。

決済方法はApple Payと同様で、iPhoneを決済端末にかざしてタッチIDまたはフェイスIDで認証することで決済が完了します。

申し込みと利用はiPhoneで完結

Apple Cardの申し込みはiPhoneから申し込みを行えば、すぐに利用することができる点です。利用履歴を見るのも、従来であれば紙の明細が送られてくるのを待ったり、クレジットカード会社のサイトで認証して閲覧する必要がありましたが、Apple PayではiPhone一つで完結できるようになります。

日本におけるサービス開始時期は未定

Apple Cardは2019年夏から米国でサービスが提供される予定です。すでに数万人規模の大規模なβテストも実施されていることが報道されています。日本ではまだいつからサービスが開始されるのかはアナウンスされていません。

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