非常事態宣言下で国会はいつまで集合形式の開催を続けるのか

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新型コロナウイルス感染拡大防止のために非常事態宣言が行われて外出禁止が呼びかけられていますが、テレビでニュースを見ていると、普段通りに国会は行われています。安倍首相からは普段よりも7割以上、出来れば8割以上は人との接触を避けるようにという要請が行われていて、企業などでは人がたくさん集まる会議体は中止して別の手段を講じたりしているにも関わらず、テレビを見ていると異様な感じがします。

TBSニュースでは複数の国会議員が衆議院第二議員会館の地下にあるウエイトトレーニングや室内でランニングができるジムを利用していたことが4月10日に報じられています。民間のトレーニングジムが休業に追い込まれている中で、議員会館の中のジムが運営を続けていたこと自体が驚きですし、また利用していた議員がいること自体も、一般の感覚から見るとかなり大きく外れているのではないかと思います。

3月30日の午後には国会対策委員長などが国会における感染防止策を検討することで一致したが朝日新聞などで報じられていますが、4月9日になって出席議員を減らす「間引き」開催で合意されて、現在はある程度の席の間隔をあけて開催されているようです。ただ、対策としてはまだまだ生ぬるいようにも見えます。国会では各議案を審議する中で質問する人も限られているので、ほとんどの人はテレビなどで状況を確認しオンラインで票を投じることができれば良いのではないかという指摘もあり、確かにその通りだと思います。もしも、国会議員の中で感染者が出た場合、周囲にいた人などが濃厚接触者として隔離されることも考えられるので、今のままの状態で運営を続けることは、国の危機管理上非常に問題があるのではないかと思います。

調べてみると、憲法が議員の国会への「出席」を前提としていることが背景で遠隔投票による採決実現が難しくなっていると時事通信が報じていました。日本国憲法には「総議員の3分の1以上の出席」を求める規定があり、これを改憲することが難しいと考えているようです。すでに会社では取締役会をテレビ会議で実施することも多く、テレビ会議で参加すれば出席と見なされるようになっています。憲法に「出席」の文字はあっても、テレビ会議で参加したことを「出席」と見なすことは難しいのでしょうか。

東京新聞の記事を読むと、京都大学の憲法学の教授が「1946年の憲法公布時には議決時は議員が議場にいることを想定していたとして、当時はなかったオンライン出席が違憲になるわけではない」と指摘しています。

災害が激甚化しているほか、働き方改革が進む中で必ずしも議場に行かなくても大丈夫な仕組みを構築していくことは急務なのではないかと思います。

ほかに印鑑もデジタル化の仕組みに今のままでは乗せにくいです。この外出自粛制限の要請が出ている中でも、印鑑を押すために会社に行かなければいけない人が多いという話しもニュースで報道されていました。内閣改造でIT担当大臣となった竹中直一氏は就任記者会見の中で、印鑑とデジタル化について「共栄のため知恵をしぼる」と発言し両立させていく考えを示したことが話題になりましたが、もはや、印鑑という仕組みをそのまま残すことはあり得ないではないかと思います。

昨今の新型コロナウイルスの騒動の中でも台湾でのITの取り組みは評価されていることが多いです。これは台湾のデジタル担当政務委員(大臣)のオードリータン氏がマスクの在庫が一目でわかる仕組みや、保険証の番号に紐づけて一定数しか購入できない仕組みを先陣をきって開発したことによる功績が大きいと言われています。

東京都でもいち早く感染症対策サイトを立ち上げて、各種の統計数値を判りやすく提供できているのは、Yahoo!から転身して東京都の副知事になった宮坂学氏の功績も大きいという報道がありますが、国にもITに詳しい人を据えて、各種の課題に対応していかなければ、Society5.0の実現も含め先に進んでいかないのではないでしょうか。

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